AさんがBさんにビットコインを送金するときは、取引データをインターネットを通じて
やり取りすることになりますが、途中で誰かに取られないように、
「公開鍵暗号」と「電子署名」と言う技術を使っています。
「公開鍵暗号」は、あるデータを暗号化する時と復号(元のデータに戻すこと)するときに
別々の鍵を利用することで、第三者に暗号を破られないようにした技術です。
データを送る人ではなく、受け取る人が2つの鍵を用意すると言うところがミソです。
どういうことかというと従来の暗号では、暗号化と復号に同じ鍵が使われいたので、
データを送る人と受け取る人が同じ鍵を利用することで、
暗号化と複合が行われていました。
そのため、鍵そのものを盗まれてしまうと、取得したいデータが第三者から
丸見えになってしまうと言う危険があったのです。
古い映画などでは、秘密情報の送り手(当局)と受け手(スパイ)が同じ本、
例えば聖書を持っていて、暗号に従って「〇〇ページの〇〇行目の〇〇字目」の文字や
単語を特定し、それをつなげていけば元の指令が解読できると言うタイプの暗号が
出てきますが、この場合は聖書が「(暗号化と複合の)鍵」に当たります。
「鍵」を持っていない人にとっては、暗号文が何の意味もない文字列にすぎませんが、
「鍵」を持っている人は意味のある文章を復号できるわけです。
ところが、敵が聖書の存在に気づいた瞬間、スパイへの指示も丸見えになってしまいます。
しかも、敵が暗号を破ったかどうか、こちらには知る術がありません。
公開鍵暗号では、まずデータを受け取る人が「暗号化に使う鍵」と「複合に使う鍵」を
用意して、「暗号化に使う鍵」だけを公開します(誰でも見られるため「公開鍵」と
いいます)。
データを送る人は、その公開鍵」を使ってデータを暗号化して送ります。
データを受け取る人は暗号を受け取ったら、自分だけが持っている「復号に使う鍵」で
復号します(データを受け取る人だけが知っているので「秘密鍵」といいます)。
この方式だと、その気になれば、誰でも「暗号化されたデータ」を盗むことができますが、
複合のための「秘密鍵」はデータを受け取る人しか持っていないので、
第三者が暗号を解読することができません。
それによって通信の秘密を守っているわけです。
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