理系の人間にとって「枯れた技術」と言うのはマイナスイメージの意味ではなく、
失敗と改善を何度も繰り返し、バージョンアップ後のバージョンアップを経て、
ある程度成熟した技術を指します。
ウェブの記述言語であるHTMLは当初、構造を記述する部分と見栄えを決める部分が
一緒になっていて使い勝手があまり良くありませんでした。
そこで、標準化団体のW3Cで、レイアウトやデザイン等の見栄えの部分は
CSSで記述して、文書の部分はHTMLで記すと言うふうに分けることを決めました。
このように技能を何度も重ねていくと、非常に論理的になり、漏れもなくなる。
その状態を「枯れた技術」と呼んでいます。
ブロックチェーン技術も試行錯誤を重ねている段階ですが、まだ生まれて間もないので、
どうしても自分たちでは気づかなかったことが起きたりします。
だからといって、テストしきれていない部分があるのは当然で、
そこは年月が解決してくれるでしょう。
時間の経過とともに、それまでの失敗が吸収され、細かいバグも解消されて、
スキがなくなります。
その分、コードもながくなりがちで、高コストになってしまうと言う
マイナス面もありますが、想定外の事態に陥るリスクが減り、
安定して使えると言うプラス面も大きいと言うことです。
既存の金融機関のようにミスが許されない世界では、枯れた技術を使ったほうがいいと
個人的には思います。
安心して使えることに価値があるからです。
ブロックチェーンのような新技術は確かに攻撃的にコストを下げる可能性がありますが、
社会的信用築いている金融機関がそこまでリスクを取って挑戦するメリットがあるのか
どうかは、考えどころだと思います。
ブロックチェーン周りの問題が複雑になりがちなのは、実験段階なのにも関わらず
資金の手当てが付いてしまうことで、どこかで爆発してしまう可能性があるのは
怖いところでもあります。
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