この時点(2013年5月7日)では韓国はことの重大さに全く気がついていない。
その後、懸案の各交渉が難航する中で、ソウル米軍基地の撤退、
休戦ライン最前線からの米軍撤退。
韓国内米空軍基地の縮小撤退と相互防衛条約廃棄後の米軍完全撤退及びその後の
連絡事務所をソウルと東京横田基地、国連軍司令部に置くことなどが矢継ぎ早に決まり、
条約廃棄後に韓国内の米軍はゼロとなることが確定したのである。
駐韓米軍は相互防衛条約で駐留しているのではない。
撤退交渉が成立していないので、その実態は国連軍である。
北が攻撃再開の時は米軍とぶつかるがそれは国連軍であって、世界を敵に回すことになる。
これが抑止力であったのだ。
休戦協定の責任締結国は、中国、北朝鮮、米国(国連代表)であって
韓国は締結国ではないと言うことだ。
当然、こういうことから米韓相互防衛条約が廃棄され米軍が撤退した後は、
安全保障の状況が大きく変わってしまう。
北朝鮮が韓国を攻撃した場合、国連を攻撃したわけでは無い。
休戦協定違反であるから国連が出動と言うことになれば、
再度常任理事国の一致賛成が必要となる。
だがロシアと中国が賛成するわけがない。
中国も介在はしないしできない。
アメリカも放置するだろう。
南北どちらが勝つにせよ周りは高見の見物だ。
その後は地政学的にも韓国、北朝鮮は中国の半属国と言う形になるのが自然の流れであろう。
ことの重大さに気がついたのは同年6月半ば頃であろうか、政府内ですったもんだ大騒ぎを始めた。
そのあげく1ヶ月やそこらで、米韓首脳会談で確認したことをいともあっさり変更してしまうのである。
相手の考えや立場などはまるで無視、自分の都合だけの恥さらし。
国家の体面などどこにもない。
もともと米軍駐留には問題があった。
米の都合もあったが、韓国の都合の方がはるかに大きい。
時代は大きく変わって自国の守りが責任を持って自分でやれと言うのは米の立場で、
米が金を払って守ってやる意味など今はないと言う考えだ。
休戦協定に署名してから60年経った2013年、朝鮮問題の平和的解決が行われずに
放置され、米は依然韓国に駐留している。
この駐留の根拠は米韓相互防衛条約ではなかったのである。
戦時作戦統制権移管時期の再々さらなる延長はよほどのことがない限り困難な情勢である。
相互防衛条約の法的根拠がなくなるとともに、第一列島線への防御ライン変更は、
米の政治経済上の緊急重要問題で韓国が駐韓軍事協力協議なんてやっている状況では
現場制服組が許すまい。
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