現在の世界は“混迷と激動“の真っ只中にあります。
2016年に起こったアメリカでのトランプ大統領誕生、イギリスのEU離脱などが、
その象徴です。
こうした動きは、ナショナリズム対グローバリズムのように図式化され、
結局、ナショナリズムが勝った言われています。
ナショナリズムと言うのは、国家をまとめる力ですから、外敵が必要になり、
最終的には戦争を誘発しかねません。
2017年は、こうしたナショナリズムがさらに強まり、EUのような国家連合が
崩壊していく可能性があります。
トランプ政権もTPP (環太平洋パートナーシップ協定)やNAFTA (北米自由貿易協定)などの
国際間の枠組みを尊重しない政策をとり、世界の協調を壊しています。
これが進んでいくと、世界はさらに分断され、武力紛争、戦争が起きやすくなるでしょう。
すでにロシアはクリミヤを併合し、ウクライナ東部への軍事介入を続けています。
そして中国は海洋進出を進め、南シナ海を内海化しつつあります。
ISによって中東の混乱は泥沼化し、南スーダンでは内戦によって
民族浄化が起きかねない状況が続いています。
こうした“混迷と激動“は、オバマ前大統領が「もはやアメリカは世界の警察官ではない」
と言ったことで加速してしまったのです。
警察官がいない世界では、戦争が起こって当然です。
力を鼓舞して相手を屈服させても、もはや誰も罰しません。
こうして、ロシアはクリミア併合し、中国は南シナ海に7つの人工島を作り上げ、
東シナ海では尖閣諸島を奪取しようとしているのです。
ISは、イラクとシリアを混乱に陥れました。
ローマ法王が語る「第三次世界大戦」の1部を、彼らが既に行っているのです。
果たしてトランプのアメリカなら、もう一度、警察官をやってくれるのでしょうか。
?どう見ても、そんな気は無いようです。
トランプ大統領は、アメリカの国益最優先に政治を行うと述べていることから、
「世界の警察官ではない」と言うオバマ路線を事実上継承しているといえます。
これが、トランプ大統領が標榜するところの「アメリカ第一主義」でしょう。
このアメリカ第一主義は、対中政策において、当然ながら強硬路線を取ることになるでしょう。
これは、尖閣諸島が中国の脅威にさらされている日本としては、歓迎すべきことといえます。
しかしながら、この状況が武力紛争にまで突き進むようなことがあれば、
その最大の被害者となるのは、ほかならぬ日本なのです。
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