【日中もし戦わば】アメリカが日本に望むシナリオとは?

ここで、トランプ政権のドラゴンスレイヤーの筆頭

ピーター・ナヴァロ国家通商会議議長の著書「米中もし戦わば」を取り上げてみましょう。

トランプ政権が中国に対してどう出るのかの参考にするためです。

ナヴァロは、同書の中で、中国の軍事力増大に対抗し、

日本が取る3つのシナリオを挙げています。

 1つ目は、アメリカの力が衰えてもう日本を守り守ってくれないと判断し、

独自で核武装して自主防衛するシナリオ。

 2つ目は、安全保障の同盟を中国に乗り換えてしまうシナリオ。

 つまり、かつての東アジアの秩序である「冊封体制」に帰すると言うものです。

 そして3つ目が、日米同盟の強化シナリオで、アメリカが今後も同盟の義務を守り、

核の傘を提供し続けると信じて、その中で防衛力を強化していくと言うものです。

もちろん、彼は日本に3番目のシナリオを取ることに望んでいるわけです。

 彼は、トランプ政権に入る前に、「週刊文春」(2016年12月29号)のインタビューに応じて、

「日本が中国の脅威に対してどのような反応を見せるかは、アジアの将来の戦争と平和に

重大な影響与える」と述べています。

はナヴァロの対中認識は、「米中もし戦わば」によれば、次のようなものです。

 □ 2001年、中国にWTO加盟を認めたクリントン大統領の選択は史上最大の過ちである。

 その結果、アメリカの生産拠点は中国に移転し、アメリカは産業と雇用を失い、

貿易赤字を膨らませた。

 逆に中国は経済成長を遂げたが、民主化は進まず、独裁国家の軍事力は増強した。

 □中国は軍事力を、国土及び国際通商上の防衛と言う正当な願望とは別に、

領土、領空、領海、交通路の限りない拡大と言う政党とはとても言えない願望に使おうとしている。

 □中国には領土要求で譲歩したり、破棄したりする可能性は存在しない。

 □中国は領土的野心の実現に「三戦」(3つの戦法)を用いている。

 これは軍事力を伴わない領土獲得法である。

 □三戦とは、「心理戦」(外交圧力、風評、嘘、嫌がらせを駆使して主張を浸透させる)、

「世論線」(国内外のメディアによる世論誘導で中国側のストーリーを受け入れさせる)、

「法律戦」国際秩序のルールを都合の良いように曲げて解釈する。

 偽地図で曖昧な歴史に基づいて領有権を正当化する)である。

□中国は国際も含め国際条約を公然と破る国家である。

 □米ソ冷戦中に核爆弾が1つも落ちなかったのは、米ソが対話に前向きで、

最高レベルではアメリカ大統領とソ連書記長がホットラインでつながっていたからだ。

しかし、中国とアメリカとのあいだには「エスカレーション遮断器」は存在しない。

これが、対中強硬論の根幹です。

ナヴァロは、中国と言う異質な国家、受けられない国家を

これ以上発展させてはいけない、封じ込めろと主張しているのです。

 これに基づいてトランプ政権が戦略的に動くなら、日本としては現行の日米同盟強化、

防衛力強化路線をとっていくしかありません。

 いずれにせよ、日本は尖閣諸島を死守する強固な体制を構築し、

中国のに手出しを躊躇させる状況を作る以外の選択肢はありません。

 つまり、尖閣諸島は私たちにとっては、単なる「岩」では無いのです。

 そして、中国にとっても「岩」ではないのです。 

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