【日中もし戦わば】21世紀の戦争に備えて戦い方を変革

新冷戦が始まったと言われる以上、先の冷戦終結以降今日まで、

アメリカはどのように国防・軍事戦略を変えてきたのかを振り返ってみる必要があります。

 1990年、ソ連の崩壊で冷戦が終結、アメリカでは、

通常戦力の包括的見直し作業が行われました。

 これを「ボトムアップ・レビュー」(BUR)と言い、

1993年に国防省がクリントン大統領に報告書を提出しました。

 この「BUR」では、「米軍の規模は縮小するものの、世界の警察官として

グローバルに関与し、唯一の超大国としての役割を果たすため、

即応性や公嗣んせい抗堪性を強化して圧倒的な軍事的優位性を保持する。

 また規模縮小を補うため、同盟国や友好国に応分の役割分担を求める」と言う

基本方針が定められました。

そしてここでは、主たる脅威として「地域大国が引き起こす大規模地域紛争、

大規模破壊兵器の拡散」が挙げられていました。

さらに、冷戦後の流動的な国際情勢を踏まえ、「4年ごとの国防計画の見直し」(QDR)を

義務化しました。

 

要するに4年ごとに、世界戦略を見直していこうと言うのです。

 その後、1996年に「兵力構成見直し法」に基づき、米軍の組織と態勢を

「冷戦型」から「21世紀型」へ転換することが決められます。

 これを「米軍の変革」と「グローバルな防衛体制の見直し(GPR)」と言い、

これにより米軍の戦い方そのものも変化することになりました。

 また簡単に言うと、相手が国家ではないテロやゲリラ、サイバー攻撃等と

どう戦っていくかと言うことです。

テロや、サイバー攻撃などの「非国家主体・非対称の脅威」は、

世界中でいつでもどこでも起こりえます。

これを「脅威」と認識することで、戦い方が変わるのです。

 例えば、どこかで戦争が起こったら、その初期段階から敵を凌駕する速度で

予想戦場に兵力を投入し、自国に有利な状況を作為する「前方抑止」が、

米軍の主たる戦い方になったのです。

この戦い方の変化とともに、基地や施設等の再配置が行われることになりました。

 それまでの米軍兵力は西欧・東アジアに偏在していましたが、

これが「GPR」に基づいて見直されることになったのです。

 ここでは、中国やイランなどが力をつけ、在外米軍基地の「攻撃に対する脆弱性」が

浮き彫りになったこと、さらには基地の維持経費なども考慮されました。

現在行っている在日米軍再編は、こうした流れの一環です。

海兵隊員9000名およびその家族のグアムとハワイへの移転も、

すべて大きな情勢の変化への適応です。

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