【日中もし戦わば】「アジア太平洋・インド地域防衛戦略」の提唱

対中戦略を考えたとき、日本はアジア太平洋・インド地域の国々と

協力し合うことが必要不可欠になっています。

 そして同盟国・友好国の力を結集した抑止力で、中国の軍事的冒険の意図を

断念させないければなりません。

あくまでも武力紛争に訴える事は目的ではなく、武力紛争に発展しかねない

中国の軍事的野心と行動を断念させることに目的があります。

この際、アメリカと中国の枠組みだけで考えていると大きな誤算を犯します。

 アメリカと中国が直接戦うことに対しては、両者とも大きな抑制がかかりますが、

中国の2020年代の軍事戦略は、アメリカと日本などの国々を分断しながら、

最終的には軍事力を持って日本や第一列島線の国々に対する局地的な戦いに勝利することなのです。

 したがって、そのような行動を取らせないために、日本や第一列島線の国々は

自らの努力で「拒否力」を向上させ、さらに米国と一体となった力を見せることにより、

強大な軍事力をちらつかせて周辺国を圧迫し、自国に有利な支配的環境を

作ろうとしている中国に対抗する戦略が必要となるのです。

 そうした中国の環境作りを阻止するためにあるのが、以下に提唱する

「アジア太平洋・インド地域防衛戦略」なのです。

 戦後の日本は日米安保の恩恵を受け、防衛の大半はアメリカの軍事力に依存してきました。

 しかし、これからは少なくとも通常戦略に関しては、

「自分の国は自分で自助自立の体制に移行していかなければなりません。

 それが、これから述べる戦略の大前提です。

 「アジア太平洋・インド地域防衛戦略」の柱となるのが、

(31)にある第一列島線に位置する国々の領域防衛を連接した「阻止の壁(内壁)」と、

その外周に設定した海上交通路の要所を遮断する「海上封鎖網(外壁)」です。

 この「二重の壁」からなる戦略体制を構築することで、

中国の軍事的な海洋進出の野望を阻止します。

 中国は「アジア太平洋・インド地域防衛戦略」の「二重の壁」の内壁について、

「U字型防衛線で我が国を封鎖しようとしている」と反発するのは間違いありません。

「二重の壁」の戦略を遂行する上で重要なのは、アジア太平洋・インド地域の国々が

実際に結束した力を見せつけることです。

 そうしないと中国の覇権的拡張の意図を抑止することができません。

そしてこの戦略は、安倍晋三首相が掲げる「セキュリティー・ダイアモンド構想」と

軌を1にするものです。

 この構想は、2012年12月に第二次安倍政権が発足した直後、英字論文として発表されました。

 日本とハワイ(アメリカ)、オーストラリア、インドを結ぶダイアモンド (ひし形)の

枠組みで、わく内の日米豪印が連携して守ると言う防衛戦略です。

枠の中には東シナ海や南シナ海が含まれており、明らかに中国を意識したものです。

 外壁の海上封鎖を構築するに際して鍵を握っているのが、アメリカとオーストラリア、

そしてインドです。

 東側はアメリカ主導で日本も加わり海上封鎖のラインを構築しますが、

西側のアンダマンやニコバルなどの封鎖ライン構築はインドが担います。

 今後アメリカとインドの橋渡しは日本の重要な役割となるでしょう。

 そして南方の封鎖には、オーストラリアも加わります。

 南シナ海を米軍の潜水艦が封鎖すれば、絶大な効果を発揮するはずです。 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ページトップに戻る↑                           ページ一番下へ↓

【日中もし戦わば】「アジア太平洋・インド地域防衛戦略」の提唱


About kabumagariya