「アジア太平洋・インド地域防衛戦略」においては、
日本は近隣諸国との連携を深めることが求められています。
特に目と鼻の先にある台湾とは、強力な関係を築く必要があります。
第二次世界大戦後、日本は台湾(中華民国)を承認して国交を結びましたが、
1970年の日中国交正常化で国交断絶し、その後は非公式な間柄でつながっています。
しかし、日本が南西諸島防衛を固めるためには、「運命共同体」の関係には
台湾との協力連携は不可欠であり、必ず関係を改善・強化しなければならない国です。
同じ第一列島線に位置するフィリピンも、連携を深めるべき国です。
2016年に就任したロドリゴ・ドゥテルテ大統領は反米親中路線を一時歩みましたが、
アメリカとの関係改善の方向性が見られるようになってきました。
日本に対しては「日本は兄弟よりも親しい特別な友人」と述べるほど好意的です。
フィリピンにとって日本は重要な貿易・投資相手国でもあり、
今後も良好な関係が続くと思われます。
台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡は、「阻止の壁(内壁)」の中でも特に重要な地域です。
太平洋と南シナ海を結ぶ交通の要衝で、太平洋戦争ではアメリカ海軍の潜水艦が
日本の輸送船をいくつも沈め、「輸送船の墓場」とも呼ばれていました。
この海峡から中国の潜水艦が出入りすると、日米にとっても厄介ですから、
なんとしてもその動きを阻止しなければなりません。
CSBAの「エアシーバトル構想」には、中国本土への攻撃も含まれています。
攻撃するかどうかアメリカ大統領が判断しますが、事態がエスカレートすれば
核戦争を招く恐れもありますから、今日の国際情勢の下では、
米国が中国の領土深く侵攻して占領支配する可能性は限りなく低いと思われます。
しかし、米国に脅威を与える敵の基地や施設等を直接攻撃し、
また、敵の戦力発揮を支える4ISR能力を低下させ、
惑わせる非物理的攻撃は目に見えない形で行われるでしょう。
こうした戦略に日本が積極的に参加する事は、日本を守り、アメリカを助けることになります。
そしてもう一つ、問題となるのはなるのがロシアの存在です。
アメリカの戦略構想と融合させながら、できれば中国とロシアの関係を分断し、
こちら側に引き込む深謀遠慮が必要でしょう。
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