【銀行デジタル革命】87日銀とECBの共同調査

日本銀行と欧州中央銀行(ECB)はDLTの金融市場インフラへの応用可能性を、

共同で調査しています。 

この分野での中央銀行同士の共同調査は、おそらく世界ではじめてのことです。 

その調査結果の1部が、2017年9月に公表されました。

共同調査は(プロジェクトステラ)と称されています。 

ステラはラテン語で星を意味します。

日銀ネットとECBの同様のシステム、ターゲット2とでDLTの応用可能性を検証しました。

 調査結果は次のように要約されています。

●日銀ネット、ターゲット2双方で、平時とピーク時の取引量で

それぞれ行った実験では、現在のシステムと同等の処理速度が得られた。

●参加者(ノード)数を増加したり、参加者(ノード)間の距離を拡大させたりすると

処理時間が長くなる傾向が生じたり、1部の参加者(ノード)が取引処理に

参加しなくなったりすることが確認された。

●取引を検証する参加者(ノード)における障害や誤った取引指図と言う問題に

対処できる可能性を持っていることが確認された。

 

共同調査の結果、日本銀行とECBは、DLNTは技術として成熟しておらず、

現時点では日銀ネットとターゲット2のような大規模なシステムへの応用には

適さないと結論し、今のところ、DLTを利用する考えはないことを強調しています。

しかし、DLTの応用可能性を検証する調査研究は今後も続けられます。 

DL Tは金融インフラが頑健性、安定性、効率性を向上させる優れた技術であると同時に、

運営コストの削減に大きく貢献できる技術です。

今後、中央銀行やその他様々な分野での利用可能性も視野に入れて、

各国の中央銀行が連携し、調査研究を発展させていくことを期待したいと思います。

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