【米中もし戦わば】005-1 第3章なぜマラッカ海峡にこだわるのか?

問題中国は急速に軍事力を増強しているのは、堅調な経済成長の維持に欠かせない

通商路及び国際投資を防衛するためか?

① イエス

②ノー

この簡単な問題の正解は、もちろんイエスである。

 (これから問題は次第に難しくなっていく)。

 通商路の防衛と言う中国の至上命題は、胡錦濤前国家首席が「マラッカジレンマ」と

呼んだ問題に端を発している。

 ここで、経済史を少し整理しておこう。

 1949年の建国から30年間、中華人民共和国は、貿易とはほとんど縁のない後進的な農業国だった。

 自給自足的なこの時代、外国から石油を買う必要はなかった。

 かなりの量の石油が国内で産出したし、自動車は比較的少なく、

工業生産もごくわずかだったからである。

 1978年、当時副主席だった鄧小平うのいわゆる「第二の革命」によって状況は一変した。

 この経済革命によって、極めて中国的な特徴を持つ独特の国家資本主義が確立された。

 鄧小平の重商主義的戦略の根幹は、貿易振興のために経済特区を立ち上げ、

経済特区からの輸出を手厚く保護するとともに、国内市場を国際競争から

徹底的に守ることだった。

 同時に、国内企業に安い労働力を供給するため、鄧小平は毛沢東が作り上げた、

決して食いはぐれる事ない終身雇用制度、「鉄飯碗」システムを打ち砕いた。

雇用、住宅、無料の医療サービスを保障する「鉄飯碗」は中国共産主義の

重要な特徴だったのだが、国際市場での競争力を高めるためにこれを廃止したのである。 

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