【米中もし戦わば】008-3、第二次大戦は国の経済力で勝負がついていた

中国の台頭と成長の戦略的な意味を、次の歴史的事実に照らして考えてみよう。

 第二次大戦勃発時、ナチスドイツと大日本帝国を合わせた経済力は

アメリカ一国の半分に過ぎなかった。

 だから、工場や労働力の数と言う理由だけで持ってアメリカは戦略的に有利な立場にあった。

実際、第二次大戦当時の統計を見ると、経済力と軍事力の間に驚くほどの

相関関係があったことがわかる。

アメリカが30万機の軍用機を動員できたのに対してドイツと日本は合わせても

その数は20万機に満たなかった。

 アメリカが海上の前線に配置した駆逐艦の数がおよそ350隻だったのに対して

日本は63隻、陸上の前線では、アメリカ軍の戦車の数が7万台以上だったのに対して

ドイツ軍は4万5千台を下回っていた。

 だから、第二次大戦の勝利は、勇敢に戦ったアメリカの陸海空軍兵士のおかげに違いないが、

彼らは、敵に破壊される数をはるかに上回るペースで戦車や飛行機や船を

生産することができる祖国の工場に支えられていたと言うことにである。

これはプロイセンの偉大な戦術家カールフォンクラウゼヴィッツがいみじくも

「代数による戦争」と呼んだ必勝法が正しいことを決定的に証明した実例である。

 だが、アメリカに勝利をもたらしたこれらの工場の多くは今ではシャッターを下ろして

成都や重慶や深センといった都市に移転してしまった。 

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