中国が保有するディーゼル方式潜水艦隊の性能の高さは、
「接近阻止、領域拒否」戦略は中国にとっていかに重要であり、
それがアメリカ艦隊にいかに危険かを物語っているだけでは無い。
それは、一般的にアメリカの同盟国と見なされている国々がアメリカにとって
脅威となる技術を、そうと分かっていながら大金と引き換えに中国に提供している
と言う事実をも明確に示しているのである。
ドイツ製の最高級ディーゼルエンジンは、今までは中国の潜水艦やフリゲート艦など
他の艦船にも当たり前のように搭載されているが、本来ならこれは、
中国には全く入手できないはずの製品である。
兵器関連品の対中輸出禁止措置は、アメリカとヨーロッパで現在も継続中だからである。
この禁止措置は1989年の天安門事件を受けて人権と言う見地から始まったものだが、
最近では、少なくとも、ヨーロッパ諸国にとっては形骸化してしまっている。
そのため、ドイツやフランスなどは、軍事利用目的ではなく民間利用目的だと言う
名目で、ディーゼルエンジンなど「軍民利用」の技術を中国にたやすく売り渡している。
この「軍民両用」詐欺によって、ヨーロッパ企業は鉄面皮にも「民間利用」と言う
抜け穴を利用して中国に最先端の装備を売り渡し、フィリピンやベトナムの沿岸警備隊を
脅したりアメリカや日本の艦船を沈没させたりするための準備を中国の潜水艦に
整えてやっているのである。
兵器関連品の対中輸出禁止措置がヨーロッパ企業にとって単なる形式に過ぎない事は、
ストックホルム国際平和研究所の統計にも表れている。
これを見ると、フランスとイギリスとドイツの製品だけで、中国が輸入している
兵器関連品の20%近くを占めていることがわかる。
「漢和防衛評論」氏のアンドレイ・チャンは、「ヨーロッパのテクノロジーがなければ、
中国海軍は動くことができないだろう」と簡潔に述べている。
つまりレーニンの古い格言をもじって言えば、「資本主義の協力者たちは、
資本主義者等当人をつるす縄でも喜んで売るだろう」と言うことである。
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