「米中戦争は起きるか」を考える上で、F-22およびF-35計画について
述べておかなければならないことが少なくとも3点ある。
第1点
F-22は200機足らず製造されたが、その後、景気の低迷、予算超過、
財政赤字増大を理由に議会はそれ以上の製造を中止してしまった。
これはアメリカの経済力の欠如がペンタゴンの無能さと相まって
軍事力展開能力にいかに速やかに悪影響を及ぼすかを示した典型例である。
F-22の現在の保有数では、世界的規模で制空機能を果たすには不十分だと
一般に考えられている。
第2点
アメリカのお寒い戦闘機製造計画とは対照的に、中国はF-22と35の
国産コピーバージョンの製造を急ピッチで進めている。
例えば、成都J-20 (マイティドラゴン)はF-22とF-35の要素を併せ持つ
多用途戦闘機だと思われるし、おそらくは空母艦載機として設計された
成都J-31 (グライファルコン)はF-35を思わせるコンパクトな作りである。
2011年に成都J-20は一般公開されたが、そのタイミングが実に挑発的だった
「ロバート・ゲイツ国防長官が胡錦濤国家主席と会見するわずか数時間前」だったのである。
しかも、その会見の目的は皮肉にも「米中関係修復」だった。
別に長官自身は、「胡主席は単なる偶然の一致だと断言した」と述べて
このばつの悪い出来事はやりすごした。
だが、この説明を額面通りに受け取れば、これは、中国の政治的トップが
ゲイツに面と向かって嘘吐いたか、あるいは、中国軍の自律性が
これまで信じられていたよりもはるかに高いかのどちらかを意味していることになる。
保守系のウォールストリートジャーナル誌の社説は、
「仮に軍が意図的に胡主席に隠していたのだとすれば、
軍のタカ派が、アメリカとの関係も含めた中国の外交政策を次第に牛耳るように
なってきたと言う懸念が強まる」と述べている。
胡錦濤が嘘を吐いたにせよ、群が隠したにせよ、
これは平和の見通しにとっては明らかに悪いニュースである。
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