【米中もし戦わば】016-04、「人工衛星からミサイルを発射」

中国の野心的な宇宙計画の目標については、2つの別個の軍事的次元で考えることができる。

第一に、中国は、陸上海上問わず、あらゆる戦場の状況認識を可能にする

アメリカ流の情報ネットワークの構築を望んでいる。

第二に、中国は、威圧、抑止用及び実験用兵器として、通常兵器と核兵器の両方を

宇宙空間に配備しようとしている。

第一の目標を達成するため、中国は現在、複雑な偵察・監視・気象観測衛星ネットワークを

構築中である。

このネットワークの要が、北斗七星にちなんで名付けられた北斗衛星測位システムである。

 完成時には、30基の静止衛星及び非静止衛星で全世界をカバーする予定であり、

誤差50センチ以内と言うGPS並みの精度を目指している。

兵器配備に関して中国の秘密主義がますますエスカレートしている。

問題なのは、中国がロケットに何を積んで宇宙へ飛ばしているか、つまり、

最終的に中国の宇宙ステーションにどんな兵器が配備されることになるのかが

全くわからないと言うことである。

 この不透明性から、どうしても様々な疑念が生じてくる。

 例えば、「中国は、人工衛星ネットワークに核弾頭を配備する準備をしているのだろうか。

いざ戦争になったらそれを本当に落とすつもりなのだろうか」と言う、

被害妄想的とも思える記念がそれである。

 この疑念が本当に被害妄想かと思えば、そんなことはない。

 少なくとも、中国人によって書かれた戦略論を額面通り受け取れば、

杞憂とは言い切れなくなる。

 (実際、こうした戦略論の至るところで敵(多くの場合、明らかにアメリカのことを

指している)を打倒するための最先端宇宙兵器の使用が詳細に検討されている。

 その典型例が、李大光大佐の「宇宙戦争」である。

李は、「中国上空の宇宙空間を飛行するあらゆる飛翔体を破壊または一時的に

無力化する」こともことを支持するとともに、「敵に壊滅的打撃を与えるために」

「地上発射の対衛星兵器」及び「対衛星衛星」を使用することが必要だと述べている。

「敵」が間違いなくアメリカを指していることをはっきりさせるため、

中国共産党中央委員会の機関紙「求是」掲載の論文を見てみよう。

 中国は可及的速やかに宇宙兵器開発の努力をすべきである。

 これが、アメリカを攻撃する最も効果的な軍事的手段だからである。

中国はいずれ人工衛星からミサイルを発射できるようになれば、

アメリカはどこにも隠れられないと悟るだろう。

つまりアメリカは中国の兵器の攻撃範囲に国土全体が完全にさらされていることに

気づくだろう。 

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