【米中もし戦わば】017-03米国の最重要防衛機密がシステムシステマチックに抜き去られている

中国人ハッカーたちがこうした産業戦線で盗もうとしているのは、

大小の外国企業の設計図や研究、開発の成果、特許製法といった

お決まりのものだけではない。

彼らは電子メールから契約リスト、検査結果、価格設定情報、組合規約に至るまで

ありとあらゆるものを傍受している。

APT 1のような集団によるこうした経済ハッキングは、中国の国営企業と

人民解放軍とのユニークな協力関係をも浮き彫りにしている。

多くの場合、ハッキングの重要な目的は外国のライバル企業に対して

中国企業の立場を有利にすることである。

中国のサイバー戦争の第二戦線は、アメリカ兵器システムの大規模な窃盗である。

この問題については第5世代戦闘機F-22やF-35といったエリート兵器のデータを

盗み出されていることに関連して既に述べたが、サイバー攻撃被害のリストはさらに

「アメリカのミサイル防衛にとって極めて重要な20以上もの重要な兵器システム及び

戦闘機と戦闘艦」も含まれている。

ワシントン・ポスト紙によれば、このリストの目玉は

「最先端のパトリオット・ミサイルシステムPAC-3、陸軍の弾道迎撃ミサイルシステム

THHAD(終末高高度地域防衛)、海軍のイージス弾道ミサイル防衛システムである。

 加えて、F/A-18戦闘機やV-22オスプレイ、ブラックホークヘリコプターや、

海軍の沿海域の哨戒を目的とする新型沿海域戦闘艦など、非常に重要な戦闘機や

戦闘艦もリストに含まれている」アメリカの最重要防衛機密がこのように

システマティックに抜き取られているのは、防衛アナリストのリチャードフィッシャーが

言う通り「ほんとにぞっとする事態」である。

サイバー戦争にはさらに第3の戦線もある。

配電網、浄水場、航空管制、地下鉄システム、電気通信など、敵国の重要な

インフラへの攻撃である。

これには、民衆を混乱させるとともに経済を壊滅させると言う2つの目的がある。

例えば、中国がテルベント社のハッキングに成功した例について考えてみよう。

テルベント社は、「南北アメリカの50%を超える石油及び天然ガスパイプラインの

詳細な設計図を保有し、それのシステムにアクセスするとができる」

ソフトウェア企業である。

あるアナリストが中国のハッキングの途方もない影響力についてこう述べている。

もし誰かが私を雇い、できるだけ多くの重要なシステムを破壊する攻撃力が

欲しいのだがと、言ってきたなら、私なら、中国がテルベント社にやったのと同じことをやる。

 あれはまさに聖杯だ。

 自民解放軍の2人の大佐が1999年に発表した「超限戦(無制限の戦争)」と言う作品で

書いているのは、まさにそのようなーサイバー攻撃である。

この作品は、「中国人の書いた戦略論を注意深く読む事は、

中国の真の軍事的意図を暴く上で効果的だ」と言う典型例である。

知らなかったでは済まされないのである。

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