【米中もし戦わば】019-02中国は間違いなく、アジアの平和と安全にとって脅威となる

このような状況から明らかに導き出される結論は、

ほぼ間違いなく現状変更意図を持っている中国の軍事力が増大し続けるにつれて、

紛争が起きる可能性も増大し続けると言うことである。

 言い換えれば、本章冒頭の問題の正解は、「中国の軍事戦略及び軍事能力は、

アジアの平和と安定にとって脅威になる」でほぼ決まりと言うことである。

 したがって、次の問題になるのは、「衝突の引き金や導火線が火種になりそうなものは

何か」である。

 さらに具体的に言えば、中国と多くの国(日本、インド、フィリピン、ベトナム、韓国、

アメリカ、台湾)のいずれかとのあいだで衝突が起きるきっかけとなりそうな状況は

どうだろう、と言うことである。

第三部では、そのような状況とそこから予想される展開を見ていた。

 第二部の最後に、チェスの元チャンピオン元世界チャンピオン、ガルリ・カスパロフの

警告を引用しておこう。

 自由主義世界の多くの政治家や評論家は、自国が戦争状態にあることを認めなければ

敗北を避けられると考えているように見える。

戦争の現実を無視すれば、訓練された兵士ではなく、より多くの罪もない人々を

前線に立たせることになるのだ。 

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