最後に「北朝鮮が韓国に侵攻する」シナリオについて言えば、
その最も不安な側面は「近距離の過酷さ」である。
(アメリカがアジアから遠いために生じる問題を表す「(遠い)距離の過酷さ」と言う、
アメリカの軍関係者がよく言う言い回しをもじったもの)。
北朝鮮の首都、平壌が38度線から150キロほど離れているのに対して、
韓国の首都ソウルは40キロしか離れていない。
この戦略上の利点は少なくとも、戦闘を望んでいるだろう北朝鮮軍にとっては
魅力的である。
もちろんアメリカが朝鮮半島で再び地上戦に巻き込まれることはありえない。
アメリカは、韓国が侵攻を撃退するのを空と海から支援する道を選ぶだろう。
戦闘機パイロットで現在はペンタゴン高官のエド・ティンバーレイクは、
アメリカがとるべき道を次のように明快に述べている。
真っ先にしなければならないのは、金正恩の命令系統を断ち切る事だ。
なぜなら、彼は核発射ボタンを押すことができるからだ。
北朝鮮が核を持っている事は証明済みだ。
だから、攻撃は速やかに行わなければならない。
恐ろしい事態になる。
二万の重火器が大勢の人間を殺すだろう。
だが、北朝鮮との対称的戦闘、つまり地上戦に訴えれば、核戦争を始める前から
アメリカの負けだ、彼を排除し、容赦なくそして速やかに、彼を抹殺しなければならない。
だが、北朝鮮と韓国が「容赦なくそして速やかに」戦い、そこに地上戦にせよ、
空からにせよアメリカが加われば、この場合もやはり、
中国としては傍観者ではいられないだろう。
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