「日本核武装」シナリオの方が「日本が中国に乗り換える」シナリオよりも
さらに悪いとなれば、残ったのは「ぶれない同盟国」シナリオだけである。
このシナリオのほうがまだマシかどうかは、日米間の経済・軍事同盟の強化に
中国がどう反応するかにかかっている。
一方では、中国が現在のようなやり方で実利的日本の日米の決断力の限界を
探ってくるだけなら、「ぶれない同盟国」なりは平和に貢献するはずである。
ペンタゴンの元アナリスト、マイケル・ピルズベリーは、この「力による平和」主義について
こう説明する。
中国が探りを入れ、弱点を見つければ前進してくる。
だが、進んでみて相手が強いとわかれば、撤退するだろう、と。
他方、国内で民族問題が噴出する危険が高まったり、アメリカの後押しを受けた
日本の軍事力増強に脅威を感じたりした場合は、中国は「安全保障のジレンマ」シナリオ
に従って軍拡の努力を倍加させるだろう。
その時点で、当然のことながら戦争の危険性が高まっていく。
したがって、恒久平和をもたらすには日米中の指導者が自国の能力と意図について
フランクに話し合うことが非常に重要である。
だが、後述するように、アジアの平和にとって最大の障害は、交渉と透明性を
拒否する中国の姿勢である。
だから、今後数十年の間日本が戦争の引き金あるいは火種になる危険が大きい。
鍵となるのは、アジア地域に対するアメリカの熱意と決意の度合いである。
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