【米中もし戦わば】027-01、第27章火のついたナショナリズム

 問題

反政府運動や社会不安によって不安定になった国家外国と戦争を始める理由として

考えられるものを選べ。

①外部の敵に対する戦争によって、現政権への支持が増すかもしれないから

②戦時体制を利用して、反政府運動の抑圧を正当化できるかもしれないから

③外国との戦争によって、現政権に対する国民の不満をそらせるかもしれないから

④対外的な脅威によって国民の愛国心が高まり、現政権の下で国が

1つにまとまるかもしれないから

⑤ 1 ~4のすべて

「ウワサの真相-ワグ・ザ・ドックカフェ」は、

アメリカ大統領のセックススキャンダルもみ消し騒動を描いたコメディー映画である。

再生を目指す現職大統領が、選挙戦真っ最中にセックススキャンダルに巻き込まれる。

これでは再選が危ういと、大統領の政治顧問がハリウッドの映画監督を雇い、

メディアように架空の戦争の映像を撮影させる。

すると、果たして国民は勇敢な大統領の下に、一致団結する、と言うストーリーである。

さて、この映画を地で行くような出来事がアメリカで実際に起きている。

ビル・クリントン大統領は、セックススキャンダルの最中に、しかも不思議なことに

「ウワサの真相-ワグ・ザ・ドック」を見た後、三度も軍事作戦を命令した。

最初は、妙齢のホワイトハウス実習生と肉体関係を持ったことを認めてから

わずか3日後の、アフガニスタン及びスーダンへのミサイル攻撃、

2度目は、議会で大統領弾劾が話し合われていた中でのイラク空爆、

3度目が、上院での弾劾をかわした直後のセルビア空爆である。

空爆の最中、セルビア国営放送は「ウワサの真相-ワグ・ザ・ドック」を放映して

クリントンを皮肉った。

「ウワサの真相-ワグ・ザ・ドック」は架空のコメディーだが、

「政権の内憂が、戦争と言う外患の引き金を引く場合がある」と言う

この映画のロジック自体はれっきとした国際関係理論として認められている。

(「陽動外交政策」とか「陽動戦争」などと呼ばれている)。

この理論の提唱者たちによれば、本書の冒頭の問題の正解は5の「1 ~4の全て」である。 

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【米中もし戦わば】027-01、第27章火のついたナショナリズム


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