【米中もし戦わば】031-05上空から丸見えの米軍基地

第一列島線の主要なアメリカの基地には、中国第二砲兵部隊がすでにに照準を当てている。

主要なアメリカ軍基地とは、日本本土の佐世保及び横須賀海軍基地と横田空軍基地、

沖縄の嘉手納空軍基地とトリイステーション陸軍基地、韓国の烏山空軍基地と

テグ陸軍基地のことである。

 フリードマン教授は、これらの基地の脆弱性について次のようにずばり述べている。

 基地は固定されていてどこへも移動しない。

 つまり、中国の通常兵器に繰り返し攻撃される恐れがある。

 よって、当該地域における我々の形勢は若干不安定だ。

 だから、どのようにその不安定さを軽減するかが重要な問題となる。

 ミサイルの危険にさらされているのは、滑走路上の航空機だけではない。

 基地が破壊されると言う事は、補給線の重要な要素が失われると言うことである。

 アメリカ海軍大学校のトシ・吉原教授はこう述べている。

 こうした記事の多くはグーグルアースではっきりと見ることができる。

 基地は、上空から丸見えの、固定されたソフトターゲットだ。

だから、中国軍は座標を打ち込んでミサイルを一斉に発射すれば、

アメリカ軍の弾薬や燃料タンクの兵站支援施設を一気に破壊することができる。

 そうなれば当然、、第一列島線上のアメリカ軍の作戦継続能力が著しく弱体化する。

アメリカは軍事資産をむき出しのままに野ざらしにしておく傾向があるが、

これは中国の姿勢とは正反対である。

 中国がアメリカとソ連の両方から攻撃の脅威にさらされていた冷戦時代以来、

人民解放軍はできるだけ多くの軍事施設を強固な遮蔽物で覆うことに執念を燃やしてきた。

 ミサイルでいっぱいの地下長城(第9章参照)や、海南島にある洞窟のような潜水艦基地

(第25章参照を)思い出すだけで、中国がそのような施設を全土に張り巡らしている事は

十分に想像がつく。

 この脆弱性に対するアメリカの態度はと言えば、何をすべきかについては大方の意見が

一致しているものの、それを実行しようとする政治的意思に欠けているのが現状である。

 ミサイル防衛システムを強化しなければならないのは当然だが、

それ以外に、次の3つの戦略が必要だと考えられている。

つまり、

①既存の基地及びターゲットの「強化」戦略、。

②すでにアメリカ軍基地を受け入れている国の中で基地を分散するとともに、

他のアジア諸国に追加的施設を開設する「分散・多様化」戦略、

③空母戦闘群の主力艦重視を改め、非対称戦争を中国にやり返すための

機雷や攻撃型潜水艦に力を入れる「軍備再編」戦略の3つである。

この3つの戦略の目標は、アジア地域におけるアメリカの軍事資産の抵抗力を

格段に高めることである。

 「抵抗力を高める」とは、「中国のミサイル攻撃の第一撃

(特に、第一列島線上の基地インフラに対するもの)を確実に吸収できるようにすること」

であるとトシ・ヨシハラは説明している。 

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