【米中もし戦わば】041-01、第6部、力による平和への道、第41章「戦わずして勝つ」唯一の方法

問題

次のうち、正しいと思われる記述を選べ

①弱さは侵略を招く

②強さは侵略を抑止する

③アメリカが軍事力に頼ってアジアに平和をもたらそうとすれば軍拡競争を招き、

戦争の可能性が増大する

④ 1 ~3のすべて

最初に、「弱さは侵略を招く」と言う明快な定理に賛同しよう。

現代、中世、原始時代を問わず、常に強者は弱者を餌食にしてきた。

 ライオンは子羊と共に寝そべる事は無いし、弱者は領土拡張に余念のない強者の

侵略を思いとどまらせることはできない、。

その昔、トゥキュディデスが「ペロポネソス戦争史」に書いてある通りである。

彼は、何が「正しい」かと言う問題は「力の等しい者たち」の間でしか解決できない、

と述べている。

強いものは自分のしたいことをするし、弱いものは強いられたことを堪え忍ぶしかない、

と。

 しかし、「弱さは侵略を招く」のが事実だからといってその逆、

「強さは常に侵略を抑止する」は必ずしも真ならずである。

 この公式は単純化されすぎている。 

そこで、「軍事力だけに頼って平和を達成しようとすれば、かえって戦争の可能性を

増大させると言う予期せぬ結果を招く」と言う選択肢も考慮に入れる必要がある。

 実際、「安全保障のジレンマ」を分析した際に紹介したように、

このパラドックスの裏付けとなる実例にはことかかない。

防衛力増強の試みが他国から攻撃力増強の試みと誤解されると、

「安全保障のジレンマ」が軍拡競争引き起こし、戦争勃発の可能性は急速に増大する。

 と同時に、このような軍拡競争によって、その費用を賄わなければならない国民の生活は

苦しくなる。 

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