以上、経済力を高め、それによって総合国力と抑止力を高めるための方法を
考えてきたが、その全てに共通するのは、どんな改革が必要であるにせよ
改革には政治的合意が必要だと言うことである。
これについては、最終章でもう一度取り上げることにする。
さて次は、「力による平和」を考える上で欠かせないもう一つの力、
つまり軍事力について検討することにしよう。
だがその前に、元国務次官補カート・キャンベルとヘリテージ財団の
ディーン・チェンの、不気味なほど似通った言葉を引用して本章を締めくくることにする。
キャンベルは言う。
私はよく、「アメリカが国際舞台でリーダーシップを維持するためにも
最も重要な事はなんですか」と聞かれる。
そんな時は、どこそこの軍事作戦をどうするとか、どこそこ地域をどう扱うといった
答えを期待されていることが多い。
言っておくが、最も重要な事は、アメリカ本国をきちんとしておくことだ。
ディーン・チェンも同意見である。
何よりもまず必要な事は、アメリカ経済を健全化することだ。
その他の事は自然についてくる。
経済を健全化しなければ、つまり赤字を削減しなければ、アメリカは中国に対抗できない。
これは、他の何よりも、我々自身の努力次第でできることだ。
これはアメリカ国民とアメリカ政府の努力次第で成し遂げられることだし、
中国政府はこれをどうすることもできないのだ。
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