安全性の不安の一環ですが、今まで見てきたネット犯罪などに加え、
個人情報の流出や流用に対する懸念も、ITの利用、ひいてはモバイル決済の利用を
躊躇させる要因となっています。
2018年3月、5000万人以上のFacebookの利用者情報が流出したニュースは
全世界を駆け巡り、人々を驚かせました。
Facebookを持ち出すまでもなく、個人情報流出事件は枚挙に暇がありません。
個人情報が悪用される事件が増加している背景には、
それが以前よりも高い価値を持つようになってきていることがあり、そこは特に重要な観点です。
ビックデータをめぐっては、国家間の攻防があるほどその価値が高まっている事は、
前述した通りです。
個人情報に関する相手利用者の懸念は、情報が不正に利用されることに限りません。
利用者は、個人情報が広く流出し、それがコントロールできなくなってしまうことにも
懸念を持っています。
2014年の米国ビューリサーチセンターの調査によれば、
91%のアメリカ人が、消費者が自分の個人情報に対するコントロールを失うことがあることを認め、
88%が誤った個人情報をオンライン上から取り除くことが非常に難しいと考えていました。
さらに、OECDが実施した2016年のEU地域での調査では、
記録されたオンライン上での取引履歴に関する個人情報が、
広告活動に利用されることを懸念するとの回答が約60%に及び、ドイツでは80%を超えていました。
モバイル決済が先進国で期待されたほどの速度で普及しない背景には、
デジタルに関する信頼感の毀損があると推察されます。
利用者には、安全性の不安や個人情報の流出、利用に対する懸念を持つ人が多く、
事件の増加も手伝って、それらは日々に拡大しているといえます。
個人情報については、日本人には特に敏感な国民性があると言われています。
MUFGコインとJコインは、スマートフォン決済での利用を前提に開発されており、
当然、取引履歴情報の活用も予定されているはずです。
モバイル決済を普及させ、日本にキャッシュレス時代を到来させるためには、
安全性への不安、個人情報に対する懸念を払拭することが必須条件です。
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