中央銀行の業務で最も近い将来にAI活用の拡大が見込まれるのは、
経済分析や予測の分野です。
中央銀行はAIとビックデータを結びつけることで、経済分析は予測の精度を高め、
金融政策運営に役立てることができると思われます。
日本銀行は2015年6月に公表した「ビックデータを用いた経済物価分析について」で、
取り組みを紹介しています。
例えば、テキスト分析でのビックデータの応用可能性を評価するために、
内閣府の「景気ウォッチャー調査」のテキストデータの分析が試みられました。
各語彙にポジティブ度を評価する数値を与え、その語彙の出現頻度の評価値を
掛け合わせた数値をポイントとし、すべての語彙のポイントの総和で
全体のセンチメント指数が算出されています。
日本銀行は「短観」と言う定量的調査と並行して、それと連動させる形で
本店の調査統計局や各支店の担当者が個別機能に対して経常的なヒアリングを
実施していますが、このヒアリングを通じて大量の定性的な情報も蓄積しているはずです。
膨大なテキスト情報をAIに学習させれば、経済分析や経済予測の精度を
高めることができるかもしれません。
マーケットインテリジェンス活動の分野でも、AIを活用することができそうです。
中央銀行のマーケットインテリジェンス活動とは、マーケットデータに加えて、
市場関係者へのヒアリングで情報得て、それを市場分析や予測に役立てる活動です。
日本銀行でこの業務を担うのは金融市場局ですが、
そこで蓄積された膨大なテキストデータをAIに学習させれば、
より高い精度で市場分析や市場予測ができるようになる可能性があります。
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