マイナス金利政策が必要な経済情勢の下では、中央銀行がデジタル通貨を発行し、
それに適当なマイナス金利をつければ、マイナス金利政策による現金シフトが
生じにくくなり、政策効果を高めることができます。
ただし、現金が全廃されない限り、その効果は大きくはなりません。
ロゴフ教授は経済学の教科書に出てくる「ゲゼル紙幣」は、現金通貨を廃止せず
にマイナス金利政策を有効に働かせる代替先の1つとなり得るともしてきています。
ゲゼル紙幣とは20世紀初頭に自由貨幣(時間の経過とともに減価する貨幣)の概念を
提唱したドイツ人経済学者シルビオ、ゲゼルが考案した紙幣です。
ゲゼルはそれを毎週0.1% (年率5.2%)ずつ価値が低下するように設計していました。
事実上、紙幣にマイナス金利が付利されていることになります。
下がった価値と同じ額のスタンプを別に購入して紙幣に貼り付けると
紙幣の額面が維持される仕組みです。
ゲゼル紙幣の仕組みは、実際に、いくつかの地域で地域紙幣として実践利用されました。
ゲゼル紙幣の特徴は、紙幣を使わずに持ち続けていると価値が下がり続けるため、
お金を使わないと損をする仕組みにあります。
マイナス金利政策と同じで、消費刺激策としてはうってつけと言うわけです。
もちろん、ロゴフ教授はこのような面倒な紙幣の発行提案しているのではありません。
IT技術が進んだ現代では、デジタル通貨を発行し、必要に応じて
マイナス金利を付利すれば、ゲゼル紙幣と同じ効果が得られると主張しているのです。
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