天皇陛下がパラオに赴かれ、その同行宿泊に巡視船「あきつしま」が利用されると聞いた。
その「あきつしま」がどこかで聞いた名前だったので、はて?と思って調べてみたところ、
日本の古名だったことがわかった。
なるほどこれならこの船名を選択する事になった経緯に納得がいく。
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「あきつしま」の由来については、日本書紀に記されていて、
神武天皇が大和(やまと)一帯を見下ろす丘に登って国見をしたときに、
その地形がトンボ(あきつ)が交尾している姿に似ている、
と発言したことから生じたとされている。
また、古事記では、雄略天皇が吉野に狩りに行ったときに、
天皇の腕をかんだアブをトンボ(秋津・あきつ)が食べたことから、
天皇がトンボをほめたたえて国の名前にしたということになっている。
あきつとは『秋の虫』という意味だそうで、はじめは秋に現れるアカトンボを指していたのだろうが、
いつしかトンボの総称になったようだ。
トンボの呼び名の由来の歴史をたどってみると、あきつ→かげろう、
えんば→とんばう→とんぼと変わったようで、トンボと呼ぶようになったのは平安時代以降のことらしい。
ではなぜトンボという名称になったのだろうか。トンボの語源について調べてみると、
いくつかの説がみられる。
「飛棒」が変化してトンボウ→トンボになった。
「飛翔」から、トビハ→トンバウ→トンボになった。
「湿地や沼、水たまり」を意味するダンブリ、ドンブ、タンボなどが転化した。
「あきつしま」は唐の東方の位置にあることから、東方が転化した。
「高いところから落下して宙返りする様」を形容するツブリ、トブリから来た。
日本語の祖先はタミール語で、タミール語のトンピという言葉が稲作とともに伝来した。
(新井裕著「トンボ入門」より)
秋津というのはトンボの古名で、トンボが多数飛び回るほど作物が豊かに実る国、という意味です。
これが「あきつしま」の由来です。
古事記には、日本列島が生まれるところで本州の名称として使用されています。
そして後にはこの「あきつしま」という名称自体が日本の国自体を指す名称としても
使用されるようになりました。
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