朝鮮日報2014年10月22日付は次のように伝えた。
中国の今年の成長率目標値(7.5%)の達成は不透明になった。さらに深刻なのはそれ以降だ。
今後数年以内に中国経済の成長が急速に鈍化するか、
金融危機のような大きな衝撃に陥るのではないかと言う悲観的な見方が各方面から示されている。
米国の民間調査機関、コンファレンスボードは10月20日、
中国当局の行き過ぎた介入と生産性低下の余波で、中国の経済成長率が
2020年から年平均3%台に急落し、
2020から25年の年平均成長率が3.9%になるとの見通しを示した。
これは世界銀行が発表した2021から2025年の予想値(5.9%)を2ポイントを下回るものだ。
カンファレンスボードとは全米産業審議会とも呼ばれ、
米国の経済団体や労働組合等で構成する非営利の民間調査機関である。
1916年に創立された。米国および世界の経済動向分析や予測、マネジメント分析、
リサーチなどを行っている。
また、定期的に発表される消費者信頼感指数、景気先行指数、
求人広告指数などを重要指標として取り上げられることが多く、権威あるものとして認められている。
そのコンファレンスボードが中国経済について極めてシビアな予測を発表した。
と偶然のことだが、私はこれまでほぼ同じような中国経済凋落を飽きもせずに言い続けてきた。
改めて私のような一介の庶民の予測が同方向であることに深い満足感を覚える。
といっても決して驕り高ぶっているわけではない。
経済の原則に則ってみれば中国経済が暗い予測になって当然である。まさしく泥船経済なのだ。
中国政府がこれに対抗して大本営発表を続けてきただけである。
コンファレンスボードは、中国の経済成長率が2020から2025年の年平均成長率が3.9%へ。
2020年からの中期の年平均成長率は3%台へ急落する。
こういう見通しを示した。この背景には中国当局の行き過ぎた介入と生産性低下をあげている。
この視点も完全に私と一致している。社会主義市場経済こそ、
中国当局の行き過ぎた介入をもたらす舞台である。
これを廃止しない限り中国経済を救えないのだ。共産党政権が存続する限り、
それは不可能である。健康上(共産党延命)の理由で、がん手術ができない状態と同じである。
「コンファレンスボードはまた、来年から5年間の中国の経済成長率が
年平均5.5%に低下すると予想した。
これも世界銀行の2016から2020年の予測値(7.0%)や国際通貨基金IMFの
2015から2019年の予測値(6.6%)を下回る数字だ。
コンファレンスボード中国経済センターのデイビッドホルマン副社長は、
中国は国家による行き過ぎた介入で民間部門の革新が進まず、
官治金融の弊害で資源の効率的な分配がなされていない。
政府が介入を減らし、民間銀行が商業的な判断で融資を行なえるように
金融システムの再編が必要だと指摘した。
コンファレンスボードによる短期的な中国経済の予測では、
2015から2020年にかけて年平均5.5%に低下すると予想している。
ほぼ同期間について、世界銀行は7.0%、IMFは6.6%である。
私がかねて不思議に思ってきた事は、国際機関が中国経済について甘い予測をすることだ。
これは中国政府から圧力がかかっているのではないか。
私は訝ってきた。中国政府が厳しい予測の発表を阻止してきた事は十分に想像できる。
中国政府は大言壮語の発信元である。自国経済について、
国際機関から弱気見通しが出ることを極度に嫌ってきたはずだ。
世界銀行のチーフエコノミストのポストですら、
工作をして中国人にエコノミストを押し込んだ経緯がある。
あえてその名前は秘するが体面を重んじ圧力をかける事は
朝飯前の国家である。実もさることながら名を取るのが中国である。
その場だけ良ければそれでも良い。中国特有の刹那主義の表れである。
これまで私は、中国経済がせいぜい5から6%の年間経済成長率に低下する。
これを上限にして、さらに低下すると主張してきた。
コンファレンスボードは、2015から2020年の成長率が年平均5.5%に低下するとしている。
口幅ったい事で恐縮だが私と同じ視点で中国経済を分析している。
これに深く満足しているのだ。
「成長鈍化に対する懸念の声が、中国国内からも上がっている。
最近中国国務院傘下のシンクタンク中国社会科学院は、
今年の中国の成長率予測値に7.3%に下方修正し、
2016から2020年の潜在成長率についても5.7から6.6%と大幅に引き下げた。
人口構造の変化と労働生産性の低下、設備過剰に伴う投資の鈍化が潜在成長率低下の原因として
指摘される」
中国政府は、国際機関が発表する自国の経済予測には神経質であるが、
お膝元の発表には妨害工作を行わなかった。
中国社会科学院は、2016から2020年の潜在成長率についても5.7から6.6%と大幅に引き下げていた。
もはや、高度成長を支える要因の全てが消失したことを認めている。
急落は至極当然な現象である。
「一部の専門家は不動産市場市場のバブル崩壊を中国経済の時限爆弾としてあげる。
第2四半期(4から6月)の住居用不動産の取引件数は、前年同期に比べ9.3%減少し
2008年以降で最大の落ち込みとなった。
格付け大手ムーディーズインベスターズサービスは、
中国の不動産取引と価格がそれぞれ10%減少すれば、
中国の経済成長率が1.5から2.0ポイント低下すると予測した」とみている。
これまでの記述は、不動産バブル崩壊と言う時限爆弾の破裂を除外している。
現実に、この破滅が覆いかぶさってくるのは不可避である。
ムーディーズは、中国の不動産取引と価格がそれぞれ10%減少すれば、
中国の経済成長率が1.5から2.0ポイント低下する」と見ている。
中国財務省が2014年10月21日発表した9月の財政収支において、
不動産市況の低迷で土地売却収入は前年比21.1%も減少している。
土地売却収入が前年比で2割強も減っている事は、すでに深刻な事態が発生している証拠である。
地方政府が、インフラ投資を行う資金的余裕を失うのだ。
こうなると、2015から2020年にかけての経済成長率は、
潜在成長率の5.7から6.6%からさらに引き下げられる懸念が強まる。
不動産バブル崩壊の後遺症は、ここまで深刻化するのである。
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