中国は2015年8月初旬まで、
人民元相場を高めに維持してきた。
人民元をIMF (国際通貨基金)のSDR (特別引き出し権)に採用させたい。
そういう一念に基づくものだった。
その願いもむなしく、SDR入りの実現可能性が遠のいている。
上海株価の急落時に見せた、中国当局の強引な株価テコ入れ策が嫌われたもの、とみられている。
当時、私はブログで、「人民元のSDR入りは絶望」として記しておいた。
市場無視の粗野な振る舞いが、IMFのエレガントな「行儀作法」(市場尊重)と相容れなかったのだ。
中国はしたたかである。
SDR入りがダメだとわかるや、遠慮なく人民元相場の高め維持策を放棄するとの見方が強くなった。
先の「基準値」4.5%切り上げ幅を10%まで拡大するのではないか。
世界の為替市場はこういう予測に立っている。
こうなると、中国経済依存度の高い国への衝撃が、取りざたされている。
なんと韓国が、シンガポールや台湾と並んで、
最も「人民元安」の影響を受けると言うレポートが出てきたのだ。
韓国は「反日」の旗を振って中国のもとに馳せ参じた。
中国経済が、隆々と発展し続けると言う前提に立っていたのだろう。
皮肉にも、中国経済はこれまで経験していない局面に遭遇し始めた。
私は一貫して、中国を「泥舟経済」と呼んでいる。
韓国はその危なっかしい中国経済に自ら身を寄せたのだ。
身から出た錆とは言え、あまりにも先を読めない体質に呆れる。
中国経済を冷静に分析すれば将来、米国経済に太刀打ちできるような能力がないのは明白である。
それがわからずに、中国の「大言壮語」(ほら吹き)に惑わされて、韓国は外交進路を見誤った。
韓国は今逆に、中国の人民元切り下げに対して極度な警戒姿勢を強めている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コメントを残す