韓国の雇用統計を見れば、新規就業者数は03、0 9年は前年比マイナスだったが、
他の都市はプラスであり、11年2月から12年11月までは前年同月比で
毎月40万人以上の伸びを確保した。
(これは、同年同月日でないので、十二カ月分を加算しても年間増加数にはならない。
念のため)。
その一方、大学卒業者がここ何年か60万人近い規模だ。
中卒、高卒を含めれば、年間70万人近くが新たに職を求めようとしている。
が、就職者の総数は、比較的好調な11、12年を見ても、年50万人には遠く届かない。
単純計算すれば、20万人以上の職が確保されない。
実際には、早期あるいは定年で退社した達の再参入、専業主婦だった女性の参入がある。
「統計上は低い失業率」に関連して、
中央日報の社説(11.11.10「質が落ちる雇用を増やして大成功とは」)がこう指摘している。
「増えた雇用の大半が50から60歳代だった。
20歳代の雇用は増えず、30歳代の雇用はむしろ減った。
さらに増えた雇用の半分が週36時間未満だった。
50万件の雇用がほとんど低賃金、低所得、低付加価値と言うことである」では、
毎年毎年の積み残しになった新卒の人材は、どうなるんだろうか。
明確な統計資料はないが、ここ10年間の就業者総数が概ね上昇を続ける一方、
潜在失業者の比率がさして拡大していない事は、(彼らの大部分が)そう長い期間をおかずに、
何らかの職を得ていることを示す。
ただし、それは統計上の「有職者」になったと言うことで、意識は「就職浪人中」だ。
就職浪人になった時点で、選択は、
①働かずに就職活動を続ける(ニートになる)、
②食い扶持を得るため、契約社員や派遣社員になったり、あるいはアルバイトしたりしながら、
就職活動を続ける…の2つだ。
①は、親元に相応の所得があることが条件だ。
だから、大部分が②を選び、失業統計上は、立派な「有職者」になる。
大卒者は、実はもう「石を投げれば当たる」存在でしかないのに、多くは高いプライドを持っている。
「昔なら自分は両班なのだ」といった感じであり、高卒以下の人々やその職種を軽蔑している。
私が見るところ、韓国の大卒者には、この種の気位があるからかよほど酷い現実にでも
直面しない限り、奴婢がするような職種、つまり、力を使い、
汗と油で汚れるような職種には参入しようとしない。
①は明らかに少数派だ。
歳をとればとるほど「大卒新入社員」になれるチャンスは減っていく。
しかし、ニートにはおそらく「それなりの居心地の良さ」があるのだろう。
日本の現実を見ても、韓国の新聞を見ても、「就職するまでのニート」のはずが、
「就職活動もしない引きこもり方ニート」に変質していく事例が少なくない。
結果としてニートは累増する。
朝鮮日報は報じている。
「(04年秋と05年春の大学卒業者のうち、16,544人について、
卒業後4年間の社会進出状況を調査した結果)卒業から2年以内に、定職(1年契約以上)に
つくことができたのは64%」「4年後の段階で定職が見つかったのは69%」(10.8.4)
「韓国労働研究院が公表したところによると、15から34歳の若者のうち、
仕事を持たず求職活動もしていない人は1,008,000人と集計された」(12.4.13)
日本でもニートの増加は社会問題になっているが、
その数は10年時点の推計値で600,000人(15から34歳)だ。
日本と韓国の人口を勘案すれば、韓国のニート比率は日本のおよそ4倍になる。
「韓国に学べ」と言う日本のマスコミは何を狙っているのだ。
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