「李明博大統領がセールスマン役になったアラブ首長国連邦(UAE)に対する
原子力発電所の売り込みも、私は「看過すべきでない10大汚職」だと思っている。
09年12月、韓国はUAE、原子力発電所建設を受注した。
李明博大統領が、まさに「セールスマン」になって、UAEの実権を握る王族に
直接「ロビー」した結果の快挙だと、韓国紙は当初、かき立てた。
感覚としてははじめての海外からの原発受注であること。
しかも、原発先進国である日本とフランスを押しのけての受注だったことに、国民は溜飲を下げた。
日仏が呆然とするような安値受注だったのだ。
が、年が明けると「どうもおかしいぞ」と疑わせる情報が続々とマスコミに載った。
「受注総額は200億ドルではなく186億ドル」「革新部品は米国のWH社から導入する」
念のため述べておくと、米WHが東芝の資本参加に入っていようとも、
愛国的な韓国マスコミは「米WH」で押し通すのだ。
「国防長官UAE派兵と原発受注、無関係とは言えない」
これは、韓国陸軍特殊部隊130人がUAEの部隊に警備、警護術を教えるためとされているが、
無償派兵だ。
経費は国防予算であり、原発の建設コストには入らない。
「稼働後60年間保証との契約がある」人類の原発史はまだ60年に至らないと言うのに…。
そして、韓国が100億ドルをUAEに28年間低利融資する裏契約の存在も明らかになった。
その資金は韓国輸出入銀行が国際金融市場から調達するが、
それには同銀行の要件(BIS基準等)を整える必要があり、大幅増資が不可欠だ。
そして最終的に逆マージンの融資になるのだろう。
つまり、表面的な「安値受注」以外に、韓国大統領は「国力の切り売り」を積み重ねて
「セールスマン大統領」の面目を保ったのだ。
11年3月現在ザイード国際環境賞が李明博大統領に贈られた。
同賞は、砂漠の緑化事業を進めた故ザイードUAE大統領の功績を讃え、01年に設立された。
UAEの国策表彰制度といえよう。
これには副賞として50万ドルがついている。
大統領はこれを、「環境分野など国際社会寄与に使う方針」(聯合ニュース11.3.14)だと伝えられた。
それから1年、韓国の公職者倫理委員会は、「2012年度高位公職者定期財産変動事項」を公表した。
明らかになった事は、統領がザイード省の副賞を自分の預金口座に入れていたことだ。
個人に与えられた賞だから、賞金も個人に…、「なるほど」と思わせる論法だが、
「市井の1個人」と「大統領と言う職責にいる個人」とは違う。
しかし韓国の新聞で、これに噛み付いたのは左翼紙「ハンギョレ新聞」だけだった。
キックバックとは極秘に渡すものとばかり思ってきたが、こんなに超公然と渡す手法があったのだ。
脱帽する。
このところの韓国大統領は、任期の終わりが見えてくると、豪華な私邸の建設に取り掛かる。
盧武鉉大統領は故郷に豪邸を建て、周辺に公共事業を集中投下した。
李明博大統領も、11年に早々と退任後の私邸の準備を始めた。
元国家元首の私邸には、警官隊が24時間詰めの警備所が併設される。
バストイレ炊事場仮眠所、それに駐車場まであるのだから結構な面積だ。
ここでスキャンダルが浮上した。
私邸用地も警備所用地も、地主は同じだった。
そこで、国費が当てられる警備所用地を不当に高く買い、
その分だけ私邸の用地を値引きさせようとしたのだ。
「私は知らない。
すべて息子がしたことで…、」で李明博大統領は逃げ切ったが、
一国の大統領1族として、なんというみみっちい話だろうか。
この国では、大統領と言う職責にいる人物まで、現金を前にしたら、もう恥も外聞もなくなり、
品格も失うのだ。
李明博氏が竹島に不法上陸した時点で、実兄を始め親族、側近20人がお縄になっていた。
権力に弱い韓国の検察であれ、対応せざるを得ない明白な罪状が、
別件で逮捕したのは(圧倒的に多いのは貯蓄銀行オーナー)から次々と出てきたからだ。
政権の発足当初の謳い文句は「道徳的に完璧な政権」だったのだから、これまた呆れ返るほかない。
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