この手の話に飛びつく人は日本にも韓国にもいるだろうが、
はっきり言えば人口の増減とGDPの成長はほとんど関係がない。
そもそも、これまで人類の歴史では、人口減少よりも人口増加の方が大きな課題だった。
最近の経済成長理論でも、人口増加によって一人当たりのGDPが減少し、
それが貧困の原因ともされている。
それを「クロスセクション分析」を用いて分析してみよう。
これは、人口増減率と一人当たりのGDP成長率が交わるクロスポイント(点)を全て観測して、
相関関係があれば、右上がりの線の近くに点が集まると言う、統計手法の1つだ。
P100の図のように、世界208カ国を対象に、各国の2000から2017年の平均人口増加率を横軸、
一人当たりの実質GDPを縦軸におくと、右下がりになることがわかる。
これはつまり、人口が増えるほど貧しくなることを示している。
先進国に限って言うと人口増減率と一人当たりの経済成長率は無相関の関係にあることがわかる。
どの年代で計算しても、点の分布はバラバラだ。
ただし、人口減少の局面では「人口オーナス」(人口構成の変化が経済にマイナスに作用すること)が
要因で、一人当たりのGDPを押し上げる可能性も指摘されている。
しかし、それらも人工知能(AI)による生産性向上などで、いくらでも対処できる。
つまり、いずれにせよ、人口の減少は、大した問題ではない。
韓国経済が崩壊するとすれば、それは人口減少が問題なのではなく、
単純に韓国政府の愚策などが原因なのだろう。
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