2回目の米朝首脳会談は結果として、合意文章を発表できないまま終わった
米朝、韓国、日本などにとってどのような影響が生じると見られたか
トランプ大統領の会談決裂者記者会見、その後の北朝鮮の〇〇◯外相の記者会見を総合すれば
全体が読める
米朝双方が持ち出したのは、1部非核化と1部経済制裁解除
これで解決を拒んだのが米国、望んだのが北朝鮮と言う構図だった
こうした後者の場合、先にまとめたい方が不利になる
トランプ大統領のモットーとして「交渉はいつでも席を蹴る覚悟で行う」と言うものがある
ここではトランプ大統領の真骨頂が出た
つまり、北朝鮮は交渉をまとめて1部経済制裁解除を求めている
という事は、経済制裁が機能していると言うことだ
このままの状態を維持した方が、さらに米国にとって有利になるとにらんで席を蹴ったとみられる
外交交渉では、トップ同士が話し合うまでに事務方が競技を詰め、
トップ同士は最終確認と言う形式的なものになることが多い
しかし、米国の外交史ではトップ同士で決裂と言う手もなくは無い
よく知られたものでは、1986年10月にアイスランドのレイキャビクで行われた
レーガン米大統領と旧ソビエト連邦(旧ソ連)のゴルバチョフ書記長の首脳階段がある
交渉はほぼ合意していたが、レーガンが蹴った
その後、再交渉し、最終的には中距離核戦力(INF)全廃条約として1988年6月に発効した
レイキャビク会談は決裂したにもかかわらず、冷戦終結のターニングポイントとされている
それは米国側が安易な妥協しなかったからだ
ソ連は当時、経済が疲弊しており軍縮を進めたかった
結果としてレイキャビクの決裂で時間がかかることになり、ソ連の崩壊を誘発した。
今回のハノイ会談では、北朝鮮の金委員長が経済制裁に音を挙げて交渉を求めてきた
と言う経緯がある
トランプ大統領はこのサインをとらえて交渉を早期にまとめる事は可能だったが、
あえてまとめず制裁継続の道を取ったのは、レイキャビク会談が念頭にあったからかもしれない
何しろ、レイキャビク会談の成果であるINF全廃条約を破棄したのは、
ほかならぬトランプ大統領だったからだ
当然、その経緯はわかっているだろう
ハノイ会談については、「安易な妥協より良い」と「残念」と言う2タイプの感想があった
米国は前者、北朝鮮は後者だから、その人の感想によって米朝どちらの
スタンスに近いかがよくわかる
無論韓国は後者だ
米朝の仲介役を自称して北朝鮮べったりだったので、さぞかし残念だっただろう
中国も韓国と同様だ
日本は前者だ
米国の安易な妥協で北朝鮮の中距離核が日本にだけ向けられるのは最悪だからだ
それにしても、土産なしの手ぶらで60時間以上かけて陸路で帰国した
金委員長の心中はいかばかりだったか
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