今、日本では、デジタル通貨の覇権争いが始まろうとしています。
ビットコインに代表される仮想通貨、民間銀行が発行目指しているMUFGコイン、
Jコインなどの独自のデジタル通貨に、中央銀行が発行する中央銀行デジタル通貨の
3つの覇権争いです。
デジタル通貨の概念については序章に詳述しますが、
今、耳目を集めているデジタルの通貨は、スマートフォンなどの端末機を使って、
支払いや送金などに利用できる電子的に記録された“通貨“です。
長い歴史の中で、人々が商品を買ったり売ったりするときに使ってきた現金に変わり、
本格的なキャッシュレス社会が、日本にも到来しようとしているのです。
例えば、北欧のスウェーデンでは、日常の決済の大部分がすでに電子化されています。
通貨や貨幣の素材は時代とともに大きく変化を遂げてきました。
古代中国では貝を通貨として利用していましたが、金属の鋳造技術の発達とともに、
金や銀、銅なので貨幣が作られるようになり、
やがて製紙と印刷技術の発展で紙幣が製造され流通するようになりました。
現在ではプラスチックも使われています。
このような歴史を踏まえれば、今般のデジタル技術の発展により、
通貨がデジタル化(電子化)されていく事は歴史の必然のようにも思われます。
通貨のデジタル化には、近年注目されているフィンテックが大きな役割を担っていますが、
欧米や中国などに比べ、フィンテックやそれを利用した電子決済が普及で
遅れているのが日本の現状です。
3つの種類のデジタル通貨が、今後、どのような勢力争いをくり広げながら、
通貨のデジタル化を前進させていくのか。
本書は、日本のフィンテック対応や電子決済、銀行の現状と課題、仮想通貨投資の行方、
世界の中央銀行の動向などを詳細に思いつつ、通貨のデジタル化への道を展望します。
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