2017年の銀行法改正は、フィンテック企業を想定し、
銀行や信用金庫などの金融機関のコンピューターシステムに接続する
「電子決済代行事業者」の登録制を導入すると同時に、銀行や信用金庫に対しては
API (アプリケーション、プログラミング、インターフェース)を電子決済代行事業者に
公開する努力義務を課しました。
金融庁はこの改正について、利用者保護を確保しつつ、金融機関とフィンテック企業との
オープンイノベーション(連携、協働による革新)を進めやすくするためだと説明しています。
その考えの背景には、海外でフィンテックを活用したサービスが拡大していることがあります。
フィンテック企業は、顧客の銀行金口座管理、家計簿の作成や送金の代行など、
銀行業務と密接に関わるサービスを商品として提供しているにもかかわらず、
これまで法的位置づけは不明確でした。
2017年の法改正で、審査を経て電子決済等代行事業者として登録された
フィンテック企業は、顧客情報の適切な管理や業務管理体制の整備などが
義務付けられる一方、登録事業者としての法的地位、社会的な信用を手にすることになります。
銀行などの金融機関には、電子決済等代行事業者と連携するオープンAPIの
体制整備が努力義務とされました。
APIとは、ウェブなどのサービスを利用するアプリケーションを作成するための
インターフェースのことで、金融機関がAPIを公開すれば、
銀行とフィンテック企業の間の安全な顧客データのやり取りや、
アプリケーションの連携等が可能になり、サービスの利便性が高まります。
例えば、フィンテック企業の顧客はそのサービスを利用する際、
これまで銀行口座のログインIDやパスワードをフィンテック企業に知らせなければなりませんでした。
オープンAPIによって銀行とオリンピック企業のデータ連携が実現すれば、
ログインID等を知らせることなく、これまでと同じサービスを受けることが
できるようになると言うわけです。
2017年の改正銀行法の施工日は、政令により同年6月の公布から1年以内、
つまり遅くとも2018年6月までと定められていますが、
主要銀行は前倒しでオープンAPIの取り組みを進めているようです。
例えば、みずほファイナンシャルグループ(FG)は、改正法成立前の2016年9月に
「みずほダイレクトアプリ」の残高照会機能等の提供を開始し、
フィンテック企業にその機能をAPI経由で提供しています。
新サービスで、顧客はクレジットカード引き落とし日に
残高不足が生じるかどうかを事前に確認できるようになりました。
また、三菱UFJ銀行は、開発者向けポータルサイトを用意して、
API接続を希望する開発者が、同行が提供するAPIの使用を確認したり、
技術検証できるようにしたりしています。
三井住友フィナンシャルグループ(FG)も、
既にApplication Programming Interface公開の工程表を公開しています。s
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