先に指摘した通り、仮想通貨には明確な価値基準がありません。
そして、それこそが、仮想通貨のボラティリティーが高い水準で維持されている
根本的な理由だと思われます。
通常の金融資産は、株式の配当や債券の利子など、保有資産が将来的に生み出す
キャッシュフローの割引現在価値で、理論的な価格が計算できます。
一方、仮想通貨はキャッシュフローを生まないための価格の理論値は不明で、
それが高いボラティリティーを生んでいると解釈することができるわけです。
キャッシュフローを生まないと言う観点からは、仮想通貨の価値は円などの
法定通貨の価値に近いと言えますが、
法定通貨は発行する中央銀行が中央銀行の債務であると考えられるもの対し、
仮想通貨は誰のためでもなく、その価値の安定維持に責任を持つ機関が存在しません。
その意味で、仮想通貨は法定通貨と性格を異にした金融資産だといえます。
さらに、法定通貨の価値を価値を示す金利や為替ルートは、
経済成長率や物価上昇率失業率などの経済面ファンダメンタルズにより
大きく変化するのに対し、仮想通貨は今のところマクロ経済要因に大きな影響受けていません。
その意味でも、法定通貨の価値は性質を異にしています。
仮想通貨の価格に影響を与えているのは、マクロ経済要因ではなく、
仮想通貨に直接関わる事件や規制当局の政策なのです。
近年では2017年8月にビットコインの分裂騒動、
同年9月の中国政府によるICO(新規コイン公開)の禁止と
中国国内の仮想通貨取引所の閉鎖、2018年1月のコインチェック不正資金流出事件などが、
価格暴落を引き起こしました。
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