経済予測やリスク計測への活用に期待近年、AI技術は急速に発展し、
スマートフォンの音声検索技術や自動運転技術など多くの分野で応用実験や
実用化が始まっています。
著書で紹介した、ゴールドマン・サックスがかつて600人いたトレーダーを
わずか二人まで削減し、その業務を自動トレーニングプログラムに代替できたのは、
AIを活用したからに他なりません。
AIは今後、金融分野でますます活用範囲を広げていくでしょう。
世界の中央銀行はAI技術の活用に高い関心を示しています。
アービングフィッシャー(中央銀行統計)委員会(IFC)国際決済銀行(BIS)などと協力し
2015年はじめに各国の中央銀行のビックデータ利用状況や関心の度合いに関する
調査を実施しました。
公表された報告書では、世界の中央銀行がビックデータとAIの活用に
強い関心を持つことが明らかにされています。
調査の目的は「ビックデータの利用に関する中央銀行の経験を蓄積すること」
「ビックデータに関する各国中央銀行の関心を探ること」でした。
調査結果は次の8項目に予約されます。
①上層部を中心に、ビックデータに関する対する強い関心が確認された。
66%で正式に議論されている。
②調査時点でのビックデータの利用は限られている。
高い関心とは裏腹に、ビックデータを利用しているとの回答は30%に過ぎなかった。
調査時点で利用されていたビックデータは、半分が経済統計など伝統的な情報ソースから
得られるデータであり、残りはインターネットの検索データ、ニュース記事など
新しい情報ソースから得られるデータだった。
③ビックデータは業務に貢献すると評価されている。
一方で、情報アクセスの難しさ、情報の質の問題などが懸念されている。
④ビックデータは、マクロ経済や金融安定の分析をサポートする有効なツールになり得る
と見なされている。
特に経済市場の予測、ナウキャスト(近い将来の予測)を作成、金融リスク資料の作成、
投資家行動の評価、信用リスク、市場リスクの発見、資金フローのモニタリング、
監視業務等の分野で有効である。
⑤ビックデータは新たな情報、調査のニーズも作り出す。
39%の中央銀行は、ビックデータが経済分析の精度を向上させることを期待するばかりでなく、
ビックデータ自体が経済に与える潜在的な影響についても関心を持っていた。
⑥ビックデータに関する国際協調は、その価値をさらに高める。
71%の中央銀行は、ビックデータの調査、研究、投資で、
他国の中央銀行と強調したいと回答している。
⑦優先で取り組むテーマとして、中央銀行の52%が適切なビックデータの情報源を
探り当てることをしてきている。
⑧中央銀行の58%は、ビックデータを使って形状的に指標を作成し公表することを、
資源の制約があることから検討していない。
最大の障害はコストである。
報告書を読むと、各国中央銀行が近い将来、AIを活用するようになる事は、
間違いのないことと思われます。
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