ビットコインが普及するには、歴史にいくつか重要な出来事がありましたが、
そのうちの1つが、2015年6月のギリシャのデフォルト(債務不履行)危機でした。
通貨と言うのは「信用」で成り立っていますから(102ページ参照)、
国の信用が失われ、通貨が暴落するのではないかと言う不安が広がり、
より安定した外国の通貨が変わります。
リスクを回避するための「避難先」として、以前は「有事のドル」が有名でしたが、
最近は安定資産としての「円」が買われる傾向があります。
それと同じように、ギリシャのデフォルト危機の時に競って買われたのは
ビットコインだったのです。
国が信用不安に陥った時に、特定の国とは切り離された仮想通貨を買いに走るのは、
人間に共通した心理かもしれません。
2016年にリオオリンピックが開催される前のブラジルでも、
通貨のレアルが暴落してビットコインの取引高が増えました。
これは10年前だったら、おそらくビットコインが買われる事はなかったはずです。
しかし、2008年にリーマンショックが起きて、既存の考え方や金融システムに対する信頼が
一旦地に落ち、安全だと思われてきたものが安全でないと分かった時、
生まれたばかりのお金が多少リスクがあるかもしれないけど、
自分が保有する資産のうちの数%位はリスク資産に分散投資しておこう、
と言う発想があり回ってきたのではないかと思います。
ポートフォリオのうち何割かは日本円を持ちつつ、株や投資信託、
米ドルに分散投資する選択肢の1つとして、ビットコインを始めとする
仮想通貨の存在がクローズアップされてきたわけです。
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