フィンテックの基本的な考え方は、これまで人間がしていた作業を、
テクノロジーを使って自動化すれば、こっそり中抜きできて、
劇的に安いコストで同じ機能を実現できるということです。
ですから、既存の金融機関がまとめて行っていた機能を細かく分けて、
ITを駆使して一つ一つを実現していくわけです。
金融は本来、お金が余ってるところと足りないところをつなぐ曲線的なポジションを
取ることで、利ざやを稼ぐビジネスです。
他に代替が効かないポジションに位置しているからこそ、
大量の人間が一つ一つの取引を手作業で確認すると言う、
ある意味、ぜいたくな仕事のやり方が許されてきたともいえます。
しかし、フィンテックによって、そうした機能が低コストで実現できるようになると、
既存の金融機関も現在の高い人件費を維持できなくなるかもしれません。
またフィンテックの背景には、人間の判断によって恣意的に運用されるよりも、
アルゴリズムによって一定のルールで運用される方が信用できると言う
「テクノロジー至上主義」と言うべき思想があるようです。
ミスを犯すのも、悪さをするのも人間だから、人間を排除したシステムの方が
信用できると言うのは、特定の国や企業による管理を嫌い管理を嫌がる
ブロックチェーンとも共通した価値観です。
ただし、分散型ネットワークを基本とするブロックチェーンには、
どうしても非効率な面があります。
ネットワークにつながった全員が承認するよりも、中央集権型のサーバーで
集中処理をした方が、よっぽど効率的だと言えるからです。
その点、中央にサーバーがあるシステムでは、その中だけで処理が終わるので、
処理速度が速く、更新も運用も簡単と言うメリットがあります。
管理者さえしっかりしていれば、その方が安心と言う人もいます。
既存の銀行システムはまさにこのタイプですが、負荷がかかって
サーバーが落ちてしまうと信用問題に関わるので、何十億円もかけて
別にバックアップを取っています。
そういうコストもかかってくるので、コストを削減するといっても限度があります。
銀行の高コスト体質がなかなか改善しないのは、そのせいでもあります。
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