【米中もし戦わば】006-3中国経済の喉元を抑えているアメリカ

1991年のソ連崩壊以来、アメリカ海軍に世界規模で対抗できる限り力を持つ国家は

存在しなくなった。

実際、ロシア連邦海軍の規模は、ピーク時のソ連海軍のおよそ4分の1程度しかない。

 それにソ連潜水艦隊は、1985年にほぼ400隻を保有していたが、

現在、ロシアの潜水艦保有数は100隻以下である。

 アメリカ海軍に対抗できる海軍力を持つ国が存在しなくなった事は、

世界経済に大きな恩恵をもたらした。

海のパックスアメリカーナによって事実上すべての国や国際通商路を

自由に往来できるようになり、その結果、国際貿易量は劇的に増大し、

ほぼ世界中の経済が着実に成長した。

そこで、ところで指摘しておかなければならないのは、アメリカ海軍による

通商の保護の恩恵はどこでも受けたのは世界最大の輸出国中国だと言う事実である。

 とは言え、世界中に展開するアメリカ軍の配置を地図上でざっと見ただけでも、

中国に対してアメリカの輸出入禁止措置を取った場合、それは極めて効果的に

実行されるだろうと言う事は明らかである。

ペルシャ湾を例に考えてみよう。

 中国が輸入している石油ここから運び出されている。

 ペルシャ湾とホルムズ海峡のホルムズ海峡の監視にあったている

アメリカ海軍第5艦隊の司令部は、ペルシア湾のマナマ(バーレーンの首都)に置かれている。

また、第5艦隊ははるか南のケニア沖まで出向いてパトロールを行っているが、

ケニアを始めとするアフリカの多くの国々からも中国は石油を輸入している。

 第5艦隊は、地中海と紅海を結ぶスエズ運河の南端の警備にも当たっている。

 そして、中国行きの貨物線は、幅わずか30キロのチョークポイントを通過することになる。

アラビア半島のイエメンとアフリカの角に位置するジブチ及びエリトリアに挟まれた、

このバブエルマンデブ(アラビア語で「悲しみの門」の意)はインド洋と地中海をつなぐ

戦略上重要な交通の要衝である。

 地中海を管轄しているアメリカ第6艦隊は、スエズ運河の端から大西洋への

玄関口ジブラルタル海峡までをパトロールしている。

 地中海会を横断するこの航路は中国にとって、ヨーロッパ、イギリス、

スカンジナビア向けの製品を輸出するためにも、原料や農産物を輸入するためにも

特に重要な通商路である。

 一方、インド洋の中央部にディエゴガルシア島と言う、足跡のような形をした

広さ44平方キロメートルの珊瑚礁環礁がある。

赤道直下に位置するこの島は、アメリカの最も重要な戦略拠点の1つである。

 アメリカ軍のグローバルポジショニングシステム(GPS)の地上局がある。

 長距離爆撃機の重要な発着場でもあり、アフガニスタン戦争やイラク戦争の際に

使用された。

 この基地からB-2ステルス爆撃機が出撃すれば、中国の主要都市すべてに

容易に到達することができる。 

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