【米中もし戦わば】010-7、中国はどれだけの核兵器を隠し持っているのか?

憶測の域を出ないのは、中国がこの広大で不透明な迷路の中に隠し持っているだろう

核弾頭の数である。

ペンタゴンは一貫して、中国が保有する核弾頭の数は240から400の間に過ぎないと

見積もってきた。

 だが、カーバーは2013年に発表したレポートの中で、中国が地下長城内に

3000発もの核弾頭を備蓄してる可能性を指摘している。

 これがもし真実なら、中国が保有する核弾頭の総数は米露両国が新STARTによって

保有されている核弾頭の総数の後合計にほぼ等しいことになる。

カーバーのレポートは「誇張」として手厳しい批判を受けることもある。

 例えば、「憂慮する科学者同盟」(1969年に設立された国際的非営利団体)の

ある代表者は、カーバーのレポートを「馬鹿げている」「怠慢」だと表している。

だが、こうした批判は、中国の核弾頭の開発が秘密裏かつ無制限に、

急速に進んでいると言う点を、見落としている。

 それに、こうした批判は中国が難攻不落の地上発射システムを完成しつつあるという

事実をも無視している。

さらに、核兵器の地下通路を高速で他の発射場まで運ばれると言う、

戦力の踊るべき機動性によって、核兵器の無害化に「モグラたたき」的な

困難さが加わることになる。

対照的に、アメリカの地上発射はそのほとんどは固定式のサイロに格納され、

その位置はGoogle等のインターネットサイト上に広く公開されている。

地下長城に関しては、もう一つ注意すべき重要な点がある。

中国が隠し持っている核兵器の数がわからないため、中国はこの不透明さを

威圧の道具として利用し得ると言う点である。

 実際、地下長城の存在が明らかにされた時、多くのアジア諸国が恐怖と警戒感をあらわにした。

 同時に、中国が実際に保有する核ミサイルと核弾頭の数は誰にもわからないのだから、

「中国は大量の核兵器を保有している」と言う主張は中国側は誇張だとして

簡単に斥けることもできる。

 したがって中国は欲しいままに核兵器を備蓄することも、

それをもっともらしく否定することもできるのである。 

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