【米中もし戦わば】011-2、「日本の海上部隊は地上発射ミサイルを深刻な脅威にさらされている」

中国のミサイルの脅威について論じるとき、最近の報道は最新式の対艦弾道ミサイル

(空母キラー)にこだわる傾向があるが、アメリカ国家総合大学教授バーナードコールや

アメリカ海軍大学校教授ライルゴールドスタインといった専門家は、

ずっと以前から存在する巡航ミサイルの方がさらに危険かもしれないと考えている。

 コール教授は、中国の巡航ミサイルが「非常に挑戦的な」脅威となった原因は、

ミサイルの生産数やその速度及び性能の向上よりも、

「人工衛星ネットワークやその他の種類のレーダー」が開発され、

その結果、ミサイルが目標をずっと正確に探知追尾できるようになったことにあると言う。

 ゴールドスタイン教授は、中国の巡航ミサイルのうち、

特に対艦巡航ミサイルの危険について掘り下げ、次のように述べている。

中国の最新型対艦巡航ミサイルの中には、射程や速度の点で、

(それほど高性能とは言えない)ハープーン対艦ミサイルなどの

アメリカのよりも優れているものがある。

したがって、この分野では中国の方がアメリカよりも進んでいるわけで、

これは実に気がかりな事態である。

 しかし、気がかりなのはそれだけではない。

この巡航ミサイルを、中国は高性能の水上艦(ミサイル艇)や潜水艦など、

様々な場所から発射することができるのである。

数について言えば、台湾に対してだけでも1500発以上のミサイルが

配備されていると報告されている。

実際に使用されれば必要以上の殺傷能力を発揮するだろうが、これはむしろ、

台湾の独立を阻止するための威圧の道具である。

 この点に関して、国際評価戦略センターのマークストークスが次のように

簡潔に述べている。

1993年以来ずっと7分で台湾に到達する位置にミサイルが配備されている。

 そして、このことが台湾国民に心理的圧力を加えている。

 だが、中国のミサイルのターゲットは台湾だけではない。

 例えば、東シナ海の尖閣諸島の領有問題で中国と対立してる日本の状況考えてみよう。

 ゴールドスタイン教授は、尖閣諸島の現状をこう述べている。

 例えば東シナ海の戦略的均衡が兵器の種類によってどのように変わるかを見てみると、

日本の海上部隊は地上発射ミサイルの深刻な脅威にさらされているように思われる。

例えば中国沿岸部から発射される巡航ミサイルは尖閣諸島付近の海上保安庁の船舶を

射程内収めているし、これを決定的に打ちます打ちまかすこともできると思われる。

 したがって、巡航ミサイルの脅威が非常に大きい。

 対艦弾道ミサイルばかり気をとられていると、巡航ミサイルの脅威から

目をそらすことになりかねない。

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