【米中もし戦わば】012-4、民間の漁船団を使って機雷を敷設

中国の機雷戦能力が急速に高まっていると言う事実の他にも、

その機雷戦略の事態の不安定化に繋がれない憂慮すべき側面がある。

 中国は、軍用機や軍用船や潜水艦だけでなく、一般的に「非戦闘員」とみなされる

漁船団をも大量に使って機雷を敷設している。

 アメリカ海軍大学校のアンドリューエリクソン、ライルゴールドスタイン、

ウィリアムマーレーは、「中国側の資料は、民間船が機雷施設などの海軍の任務に

組みいられていることにしばしば言及している」と述べている。

 例えば、中国の軍事アナリスト、ハイリンは次のような驚くべき数字を上げている。

「中国には現在、鋼鉄製のトロール漁船が30,000隻あり、その各々に機雷10発を積載できる」。

 さらに、「帆船の漁船が50,000隻あり、こちらは各々2から5発の機雷を積載可能である」。

 同じく中国の軍事専門家インナンは、民間の船舶を使う利点について、

「十分な数があり、目立たず、そこそこの機動力があり、疑われにくい」事をあげている。

 もちろん、このような民間船と軍用船の曖昧な線引きは国際基準に完全に反している。

 中国の機雷戦の戦略的目標については、様々な可能性がある。

 例えば、エリクソンやゴールドスタインやマーレーが言うように、

「(南シナ海の)南沙諸島の領有権を主張するために、中国は軍艦を長期間派遣するより

も、

(費用も少なくて済み、関係諸国を刺激する恐れもより低い)範囲を注意深く限定した

機雷原を優先するかもしれない」。

 同様に、台湾を武力で奪取しようとする場合にも、間違いなく必要な役割を果たすことに

なるだろう。

その際ターゲットとなるのは「台湾の港だろう。

台湾の周囲の海は浅いため、その港の大半は機雷戦の影響を極めて受けやすいと言える」

実際、中国海軍が大量に保有している機雷によって、「台湾やその他の西太平洋地域の

重要な交通路を封鎖する能力を既に完全に備えている」のである。

しかし、中国の水面下の脅威は、急速に成長を続けるその機雷戦能力だけではない。

次章ではそれを取り上げることとする。 

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