次に、全面戦争時にハッキングによって何が起きるかを考えてみよう。
アメリカの兵器、兵站システムのコンピューターおよび電子回路に、
中国が「トロイの木馬」やその他のマルウェアを埋め込んでいる恐れがある。
その究極の目的は、紛争時もしくは戦時にこのマルウェアを使ってアメリカの戦力を
破壊もしくは使用不能にしたり、誤作動を起こさせたり、
その他の方法で無力化することである。
考えられる危険のうちのほんの1つだけでも理解するために、
映画「影なき狙撃者」(洗脳の恐怖を描いた1960年のサスペンス映画。
2004年に「クライシスオブアメリカ」と言うタイトルでリメイクされている)風の
シナリオを考えてみよう。
成都の企業の中国人エンジニアが、複雑なカスタムコンピュータチップ内に埋め込む
「キルスイッチ」を設計する。
中国は「キルスイッチ」がうまく埋め込まれた「洗脳チップ」を
アメリカへ輸出し、それらはアメリカの防衛システム内に組み込まれるまで
往年の名画「鍵なき狙撃者」の筋書きと同じように、洗脳されたコンピュータチップは
中国人ハッカーの指令をそこでじっと待っているのだ。
想像してみて欲しい。
中国の攻撃を受けた台湾或いは日本を支援するためにスクランブル発進した
空母艦載機F-15戦闘機のエンジンが飛行中に停止し、電子システムが麻痺する事態を。
実際、事実上世界の工場となって以来、このような「洗脳チップ」を仕込む事は
中国にとってはいともたやすいことである。
ソフトウェアプログラムにはウィルスやトロイの木馬を仕込めるコードが
何百万行までもあるし、コンピュータやスマートフォンのマイクロチップには、
悪意を持ったデジタルペイロードを隠せるように論理ゲートが何万個もある。
こうした予測が被害妄想に過ぎなければ良いのだが、このようなチップは
アメリカの防衛システムから既に発見されている。
例えば、ケンブリッジ大学のある研究者が、アメリカが保有する兵器の中で
最も「侵入が難しい」と考えられている軍事企画のチップにバックドアを発見している。
問題のチップ(一般にPA3と呼ばれている)は兵器だけではなく、
原子力発電所や公共交通機関などの民生用にも使用されている。
「アビエーションウィーク」誌はこう述べている。
「中国製の特集マイクロチップがアメリカのコンピュータやネットワークに
入り込む可能性、それどころか西側の通常型兵器システムの中に入る可能性は
単なる恐ろしい予想ではない。
それはぞっとするような現実なのだ」
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