中国とベトナムの関係を述べた記述として正しくないものを選べ。
①中国もベトナム共産党政府によって支配されている
②中国でもベトナムでも、仏教と儒教が伝統的文化の重要な部分を占めている
③ベトナムがフランスから独立した時も、アメリカ軍を駆逐した時も、
中国はベトナムを助けて重要な役割を果たした
④中国とベトナムは現在も同盟国として有効関係を保っている正解は4。
数多くの共通点を持ちながら、現在、中国とベトナムは友好国でも同盟国でもない。
これには色々と歴史的な理由がある。
紀元前100年頃、中国はベトナムを侵略し、1000年間その土地を支配したが、
その後ベトナム人が蜂起して征服者を追い出した。
すでに述べたように1979年にも中国は、ベトナムがソ連と同盟を結んだことを理由に、
その「罰」としてベトナムに侵攻した。
ただし、多大な死傷者を出して「罰」を受けたのは、主に中国の側だった。
こうした侵略の歴史はあるものの、現在、両国が敵対関係にある主な原因は、
中国が南シナ海でベトナムに対して繰り返しているいじめである。
南シナ海は「縁海」(島々によって部分的に囲まれている海」と言う言われることが多いが、
その海域は他の縁海よりも広く、太平洋、大西洋、インド洋、南氷洋、北極海に次いで
6番目に大きい。
世界の海を航行する輸送船の3分の1が、350平方キロメートルの面積を持つ
南シナ海を通過している。
南シナ海が重要視される理由は、そこが現代の「海のシルクロード」だから
と言うだけではない。
南シナ海は世界有数の豊かな漁場でもある(しかも、その地域の人々にとって
魚は重要なタンパク源である)さらに、その海底に天然ガスが眠っているとも言われている。
戦略的な観点から見れば、インド洋への玄関口であるこの南シナ海を制するものは
南アジアそのものを制するといえよう。
のみならず、日本や韓国へ運ばれる石油の大半が南シナ海を通過しなければ
ならないことを考えれば、南シナ海を制するものは東アジアも制すると言えるかもしれない。
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