潜水艦を重視することの利点とともに、ハルパーは空母を失うことによる損失も訴える。
中国の攻撃で空母を失うことの「政治的影響」により、
「アメリカは選択の幅を狭め狭められ、中国本土の軍事施設に対する非常に強力な
攻撃に出ざるをえなくなるだろう。
だから、空母や主力艦船を撃沈される事は、エスカレーションと言う観点から
非常に危険だ」。
潜水艦のプレゼンスを強化して非対称戦を中国にやり返す方法についてヨシハラは、
攻撃型潜水艦に期待される役割は、第一列島線に沿って点在するチョークポイント付近で
監視の任に当たり、そこを通過しようとする中国の商船や軍用艦を
撃沈できるようにしておくことだ、と述べている。
そうすれば、アメリカは現在中国が「空母キラー」兵器を使って
アメリカの水上艦に及ぼそうとしているのと全く同じ種類の圧力を中国に対して
及ぼせるようになるだろう。
もちろん、潜水艦戦略シフトすることの主な短所は、アメリカの戦略投射を
広く世界に知らしめると言う、空母戦闘面の重要な象徴的価値を失うことである。
ヨシハラ自身、この短所を率先して認めている。
潜水艦は優れた接近阻止兵器ではあるが、潜水艦では武力の誇示によって
アメリカの決意を明示することはできない。
それができるのは空母だけだ。
ある国の沖合や領土問題が起きている島の近くに空母が姿を見せるだけで、
「アメリカは本気だ」と言うことを示すことができる。
実際、空母のまさにこうした役割を強く求める声が同盟諸国から上がっている。
だから、妥協点を非常に慎重に探す必要がある。
空母にできて潜水艦にはできないこともあれば、その逆もあるからだ。
軍備再編は簡単には進まないだろう。
同盟諸国が空母を、アメリカが彼らの安全保障を真剣に考えているしるしと
みなすだろうからだ。
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