中国を封鎖戦略に対して脆弱にしている要因を選べ。
①経済的要因
②地理的要因
③ 1と2の両方中国の「地理の過酷さ」についてはすでに第3章で詳しく述べた。
だが、オフショア・コントロール戦略を検討するにあたって、ここで簡単におさらいしておこう。
地理的に見て、中国大陸は第一列島線によってほぼ完全にアメリカの同盟諸国に
取り囲まれ、封じ込められている。
中国の独裁的指導者らが胸騒ぎを覚えながら大陸の海岸から毎日眺めているに違いない
この「逆長城」は、日本本土から琉球諸島を経て台湾で中間点に達し、
そこからフィリピン、インドネシアを通って、最後に究極の
海上封鎖ポイントと言うべきマラッカ海峡へと至る。
だが、中国が封鎖を恐れなければならないチョークポイントはマラッカ海峡だけではない。
例えば、第一列島線の北側には、北海道の北側とサハリンの南端に挟まれた宗谷海峡がある。
日本海から太平洋に抜けるこの通路は、この宗谷海峡とあと1カ所しかない。
さらに、中国にとって琉球諸島は、西太平洋に到達する際の最大の障害である。
沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡(幅およそ300キロ)は、もう一つの重要なチョークポイントである。
現在、この宮古海峡は、中国海軍(特に潜水艦)が東シナ海から西太平洋へ出る際の
お決まりのルートである。
だが、中国が激しく抗議する中、日本は宮古島に、既に設置済みの高性能レーダーに
加えて88式対艦ミサイルを配備した。
このミサイルは、中国艦船が宮古海峡のどこを通過してもたやすく射程内に収めることができる。
そこからさらに南下すると、台湾とフィリピンの間に幅250キロのルソン海峡がある。
ルソン海峡は、1941年に日本がフィリピンを占領したときには日本軍の進入路として、
その後、アメリカが海と空から日本を封鎖したときには決定的なチョークポイントとして
重要な役割を果たした。
中国の商船や軍用船が南シナ海からインド洋に出ようとする場合も、
もちろんチョークポイントを通過しなければならない。
インド洋への出口としては、マラッカ海峡以外に、これと同程度に危険な
スンダ海峡とロンボク海峡(いずれもインドネシア)がある。
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