【米中もし戦わば】044-03、「弱さは常に侵略への招待状」

現在のアメリカの行動は、歴代アメリカ大統領の最も有名な格言の1つと言える、

「大きな棍棒を携えて、穏やかにあるけ」がまさに正反対を行っているように思われる。

抑止力を的確に表現したセオドア・ルーズベルト大統領のこの格言に従うどころか、

現在のアメリカは、超ミニサイズの棍棒を振りながら声高にアジア重視を言いたて、

いたずらに中国を怒らせている。

ハドソン研究所上級研究員セス・クロプシーはこの問題をさらに掘り下げて

次のように気にしている。

 アメリカすでに防衛予算を5千億ドル削減しているが、

さらに5千億ドルの削減を目指している。

これでは、安全保障と協力と支援を期待しているアジア諸国に、

アメリカが本気だと言うシグナルを送ることができない。

少なくともクロプシーの世界観にとっては、「弱さは常に侵略への招待状」なのである。

防衛費削減は抑止力と言う究極の目的に対して引き起こす問題について、

以前ヘリテージ財団のディーン・チェンは次のように簡潔に述べている。

 弱いアメリカは、同盟諸国への約束を守れないアメリカであり、

したがって、信頼性を疑問視されるアメリカだ。

 逆に、強いメリカ、同盟国への約束を守るアメリカは、紛争を抑止できる可能性が

はるかに高い。

 対中穏健派で知られるジョンズ・ホプキンス大学教授デビット・ランプトンでさえ、

アジア諸国との同盟関係が破綻している安定化・均衡化機能の重要性を次のように認めている。

 仮にアメリカの軽率にアジアの同盟諸国との関係を弱めたり断ち切るようなことを

すれば、これはアジアの不安定化に直結するだろう。

そうなれば同盟諸国は自力で抑止力を獲得せざるをえなくなり、

それが核武装につながる可能性も十分考えられ、

あるいは、これらの国々が経済問題その他で中国に追随する道を選ぶ可能性もあり、

そうなればアメリカの利益にとってマイナスだ。

 したがって、同盟諸国との関係を軽率に断ち切れば、壊滅的な結果を招くことになる。 

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【米中もし戦わば】044-03、「弱さは常に侵略への招待状」


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