2017年2月日米首脳会談で、トランプ米大統領は日米同盟の強化に同意し、「
核を含めたあらゆる手段で日本を守る」ことを確約しました。
しかし、それによって、中国の覇権的拡張主義を抑えられるかどうか判りません。
東シナ海、南シナ海における中国の「力による現状変更」は、
今後も推し進められていく可能性の方が強いのです。
このままでは、尖閣諸島周辺地域での不測の事態が、
中国との間の武力衝突につながる可能性すらあります。
本書は、こうした東アジアの戦略環境の中で、日本の安全保障のあり方について
提言しようとするものです。
このままでは日本の安全が保てない。
では、どうすれば良いのか?と言う観点で、現状分析しながら、
日本がとるべき戦略について核抑止を含めた包括的な視点から考察しています。
トランプ政権は、今までの政権以上に身対中強硬策を採っていきそうですが、
そうであれば、同盟国、特に日本に対して、対中政策における一層の負担を
求めてくることは間違いありません。
平成25 (2013)年12月に閣議決定された「国家安全保障戦略」は、
日本を取り巻く安全保障環境が複雑かつ重大な国家安全保障上の課題に直面していると
指摘した上で、日本の平和と安全はわが国一国では確保できないとの認識を示しています。
そうなると、わが国としては日米同盟を堅持しつつも、
アジア太平洋・インド地域諸国とのあいだで対中政策における戦略的連携を
強化していかなければなりません。
本書の執筆及び編集は、樋口譲次が中心となって行いましたが、
1月末には安全保障戦略研究所(SS RI)メンバーが参画しています。
まず執筆メンバーは、皆陸海空自衛隊、防衛省OBであり、安全保障、軍事戦略の
エキスパートですしたがって、本書は、こうしたメンバーによる共同研究の
成果と言って良いものです。
—執筆者紹介省略
安全保障、国防は、イデオロギーや政治思想ではなくその国が置かれた地政学的特性を
基礎した基礎として、常にリアリズムの視点から考察しなければなりません。
今、目の前にある現実と起こりえる将来の最悪の事態を想定し、
それにいかに対処していくかに尽きると思います。
この点で、残念ながら、現在の日本人は関心と意識が低いのではないでしょうか?
ここで私たちが心がけたのは、できる限りわかりやすく、
安全保障と言う国の根幹に関わる問題を解説していくことです。
そのことによって、日本人の関心と意識を少しでも高められるとしたら、
本書を世に問う意義があったと、私たちは考えます。
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