トランプ政権と言うのは、元軍人が多数を占めると言う、これまでにない政権です。
「軍事政権」と言っても過言ではありません。
しかも、その軍人は皆タカ派と言っていい人たちばかりです。
そうしたタカ派の人が、“狂犬“と言うあだ名の国防長官ジェームス・マティス氏です。
彼は、元中央軍司令官(元海兵隊大将)で、「中露は実戦で戦えば必ず負ける」と言う、
「(中国は)我々の同盟国である日本と韓国の摩擦をうまく見つけ、それらを誇張する国だ」
と、これまで中国を批判してきました。
元南方軍司令官(元海兵隊大将)だった国土安全保障長官のジョン・ケリー氏もタカ派です。
タリバン掃討作戦で息子をなくしているだけに、テロに対しては容赦がありません。
海軍長官のフィリップ・ビルデン氏は、元サイバーセキュリティー専門の
会議情報将校で、中国のサイバー攻撃に対抗してきたキャリアの持ち主です。
対中強硬派と言って良いでしょう。
CIA長官のマイク・ポンペオ氏は、陸軍軍人で、イランの核問題に関する最終合意
(包括的共同作業計画) (JCPOA)に反対し、テロリストへの拷問の必要性を
擁護してきた人物で、もちろんタカ派です。
このような強硬派、タカ派のバックボーンというのが、
陸軍出身でアラバマ州の連邦検事から司法長官に就任したジェフ・セッションズ氏です。
彼は、人種差別発言でたびたび物議をかもしてきましたが、「力」の信奉者です。
セッションズ氏は、(力による平和)を提唱していますが、これは「強力な軍事力が
平和を築くためには必要だ」と言う考え方で、もともと1980年代の冷戦末期に
レーガン大統領が推し進め、結果的にソ連崩壊に導いた政策です。
このように、トランプ政権は安全保障・軍事ブレーンはいずれも、タカ派、強硬派で
固められており、その戦略・政策の基本方向は”弱腰”と非難されたオバマ政権に比べて、
より現実的な路線を指向することになるでしょう。
大統領就任前、トランプ氏は南シナ海問題を聞かれ、「(中国は)南シナ海で
巨大な軍事施設を建設しても良いかと我々に尋ねたか?私はそうは思わない」と述べて、
中国による南シナ海の軍事拠点化への反対を表明したことです。
となると、トランプ政権において、米軍のリバランス政策が見直される可能性もありえます。
南シナ海、東シナ海で米中の海軍勢力が直接対峙するようなことになれば、
一触即発で武力衝突が起こる可能性があります。
ナバロ教授の著書のタイトル「米中もし戦わば」が本当になってしまうのです。
これは、第三次世界大戦の始まりです。
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