【日中もし戦わば】公船による侵入とプラットホームの軍事化

そして、今や、この地域における中国の行動がエスカレートするばかりになっています。

例えば、1017年3月2日、中国の軍用機13機が、沖縄本島と宮古島の間の上空を通過し、

自衛隊機がスクランブル(緊急発進)することになりました。

これまで、自衛隊機は何度もスクランブルでしてきましたが、

この時確認された13機は、スクランブルの対象としては過去最多でした。

 もちろん、それより海の方が圧倒的に圧力をかけられています。

 後述しますが、特に2012年以降は、尖閣周辺海域において、

中国公船の接続水域内入域や領海侵入隻数が爆発的に増えています。

 上の(8)は、中国の公船が尖閣諸島周辺の接続水域や領海に

どれほど侵入した日をカウントしたグラフです。

 これを見ると、日本が尖閣諸島を国有化した2012年の夏ごろから急増し、

それが今日では常態化しているのがよくわかりますわかります。

しかも、中国のこうした行動は徐々にエスカレートしています。

最初は工作漁船、次に海警局の巡視船、そしてついに中国海軍の艦艇までが、

尖閣海域に押し寄せるようになったのです。

例えば、中国海軍の官邸は、2016年6月9日に尖閣周辺の接続水域に侵入し、

その後の6月15日には、口永良部島周辺の日本の領海に情報収集艦一隻が

侵入したのです。

これは12年ぶり、戦後2度目のことでしたした。

 さらに、8月5日には、200 ~300隻の中国漁船団が押し寄せ、

それに伴って公船の一隻が尖閣の領海侵入を繰り返しました。

 上の写真(9)は、2016年8月6日に上空から撮影した中国の漁船団です。

2016年の中国公船による領海侵入はのべ121隻、接続水域内入域は

752隻にも及びました。

 トランプ政権になってもこの状況は変わりません。

 特に2017年2月の日米首脳会談後は、中国公船の動きが活発化しています。

 そのため、石垣島の漁民たちは「尖閣の海には怖くてもういけない」と音を上げるようになりました。

 中国の巡視船は、日本漁船を追いかけ回すのです。

 海上保安庁は、現在、12隻の巡視船で構成する「尖閣専従部隊」を作り、

常時、4隻以上海域の警戒に当たらせています。

 これに対して中華の巡視船も常時4隻体制で、日本側を挑発しています。

しかも、中国海警局は巡視船を増強していて、すでに1000トン級以上の巡視船の数は

日中間で2倍に開いたとされています。

 中国は、海洋プラットホームによる石油・ガスの採掘も活発化させています。

 2003年に、中国石油公司(CNO OC)と中国石油工業集団公司(シノペック)が、

ロイヤルダッチシェル及びユノカルと探鉱開発契約を締結し日中中間線付近で

「白樺(春暁)」ガス田などの探鉱開発に着手しました。

しかし、これらのガス田の1部が未確定の日中中間線から日本側に

はみ出しているのではないかとの懸念から、日本政府は開発中止を要請したのです。

 その結果、共同開発に当たった外国資本2社は、契約継続を中止しました。

 しかし、中国は要請を無視して開発を続け現在に至っています。

 ただし、現在まで海上プラットホームからガス田の放出炎は確認されていますが、

石油が噴出したと言う確かな情報はありません。

 しかし、問題はガスや石油の採掘にあるのではありません。

 中国はこれらのプラットフォームの一部にヘリポートを併設し、

さらにレーダーシステムや水中音波探知機などを設置しているとみられるからです。

 つまり、これは軍事目的使用であり、東シナ海の力による支配の布石となるものなのです。

 こうした上で、2013年11月、中国が突如、東シナ海の広い範囲に、

戦闘機によるスクランブルの基準となる「防空識別圏」(ADI Z)を設定したのです。 

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